未完の詩
梅雨にしゃっくりとまらない
この書き出しでこの詩が完成するとは
どうしても思えない
誰かに「ワッ」て驚かしてもらったら
このしゃっくりもとまるかもしれない
生憎誰もいないから
それは永遠に叶わない
部屋から出られない理由はこの雨のせいにしてもかまわない
ネットで知り合った
あなたの幸せを願ってやまない
しゃっくりしながら本気でそう願うのだから坂本をちょっとは褒めてつかあさい
さっき仁義なき戦い観た影響で
おもむろに
広島弁を使うのを許してつかあさい
「弾はまだ残っとるがよう」
菅原文太の台詞をマネてみる
鏡の中のオマエは無様すぎて
あまりにも笑えない
腹の中で培養する殺気と悪ふざけだけは
詩の中でおしまない
世界が面白くないのは
オマエが面白くないやつだからって
ひとりツッコミを欠かさない
ディスり合いだけじゃ口先だけじゃ
何もかわらない
この鬼畜の所業は墓場まで持っていくよりほかはない
私を恨んでる人がずっと石つぶてを投げてくるイメージが消えない
トタン屋根叩くこの雨粒のせい
生乾きの匂い
手に負えないこの感情は詩にもならない
ここまで書いて長考するもままならない
ミミ子の夜鳴きが酷くて気もそぞろ
もう何も思いつかない
それでも私に詩を書かせる意味が
わからない
セルシン飲んでも不安は消えない
生きてる限り不安できりきりまい
お腹が空いたのに
マヨネーズと紅しょうがしか
冷蔵庫にはない
生きることはめんどくさい事の連続だと
その説教臭い正論もめんどくさい
しゃっくりはとまったとはいえ
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