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あたしの送りたい「生活」を考える

あたしの理想の生活とは?

最近、仕事が忙しい。激務な部署に飛ばされたからである。これを誇りと捉えるかは人それぞれだけれど、あたしはしんどい。7時30分に家を出て、22時に帰る生活は本当は送りたくない。
でも、昨年度も似たような生活だった。抗議の意味もあって出した異動願いだったが、これが結果である。ああ世知辛い。 忙しい生活が続きすぎて、「18時から自由になったら」自分が何をするのか、最近分からなくなってきている。

あたしは映画を見ることも、こうして文章を書くことも、なんなら寝ることも大好きなのに。自由な時間をどんどん削られると、人間はどうすればいいのか分からなくなってしまうのだろうか。

社会福祉士として生きるあたしにとって、仕事は生きがいであり、あたし自身の軸となるものだけど、生活がまるっと仕事に支配されてしまうと、人間として弱くなってしまう気がしている。あたしは強くありたいのに。

マルチェの日記は、理想とするお酒の飲み方が最後の締めに書かれていた。はー、最高!と誰もが思うそんな文章。あたしはマルチェのインスタの文章も大好きで、いつか「あたしがお店をやるのなら」というテーマで書かれた投稿が好きだったのを思い出した。

あたしの理想はなんだろう、あたしはどんな生活を送りたいのだろう。
朝ごはんはいつも無気力にパンを口に詰めているけれど、本当はお味噌汁と卵かけご飯を食べたい。昼ごはんはコンビニおにぎり1つとかではなくて、お弁当を持っていきたい。仕事は定時で上がって、買い物をして帰宅して夜ごはんを作りたい。時には足を伸ばしてウィンドウショッピングしたり、映画を見に行きたい。出来れば部屋を常に綺麗にして、計画的に洗濯して、土日を家事以外のことにとっておきたい。
あたしは料理が得意では無いけれど、「あっためた料理」よりも「あったかい料理」が好きだ。これは一人暮らしをして気付いたこと。
冷凍食品に随分助けられているし、美味しくて好きだけど、やっぱり自炊した時の満足感には替えられない。というか、「ほぼ毎日冷凍食品」なのが単純に飽きたのかもしれないけれど。
自炊している時、「自分で自分を大切にしている」という感覚と「自立している」という自負を持てている気がする。あたしは自分を大切にするのが少し苦手だ。全て譲ってしまった方が楽だと思ってしまうから。自分を大切にしないことが心地よく感じるというパラドックスさえたまにある(この感覚についてはいつかまた掘り下げてみたいな)。そんなあたしにとって、自炊は気楽に自分を大切にすることが出来るありがたいツールなんだと感じている。

悩めるあたしに母は「いつか」を教えてくれた

とりあえず忙しいことは横に置いても、あたしは自炊が苦手である。圧倒的に回数が足りていないことと、「苦手」と思い込んでしまっているところも理由としてはあると思う。
あたしはいつになったら理想とする生活を送れるだろう。少し前に、自炊が上手くできないことを母に相談したら、「上手にできるようになったのなんてあんたが大人になってからよ。私だってずっと苦手だったわよ」と母は言った。あたしを励まそうとしてるというよりは、本当のことのようだった。

そうだ、小学生の時、太くて多い髪の毛がコンプレックスだと母に相談したら、「大丈夫!私も悩んでいたけど、おばあちゃんになったらちょうど良くなると言われたの!それで今ね、だんだんちょうど良くなってきたのよ!」と言われた。思い出しながら笑ってしまう。ははは
10年しか生きてない子どもにあと60年くらいよ!と言うわけである。
当時のあたしはもちろん60年なんて月日が想像出来るはずもなく、ただただぽかんとしていた。そして、「大したことないってことだな」と受け取ったことも覚えている。

母はそんな人だ。基本的に他人からの目線をそこまで気にしていない。ルッキズムの感覚もあまりない。いつか、生きるのが大変すぎて嫌になると言ったら「私60年以上も生きてんのよ、すごいでしょ」「でも、だから大丈夫よ」と笑っていた。
「いつか出来るよ」という言葉は、ちんけな励ましの言葉のように使われることもあるけど、母の言う「いつか」は適当ではない。経験に裏付けされた、きらめく「いつか」を信じて伝えてくれている。

ん?理想の生活を考えていたら母の話になっちゃった。あたしの理想は母なんだな。なるほど。
軽やかに家事をこなして、支えてくれていたことに、本当にいまさらながら感謝の気持ちがあふれてくる。
今、おばあちゃんになる頃には家事上手くなります!なんて言ったら怒られそうだけど笑、それくらいの気持ちでいてもいいのかもしれない。

理想を持ちながらも、焦らない。考えすぎない。
「できていない今」に集中しすぎない。
太くて多い髪の毛が、いつの日か抜けて行ってちょうどよくなることを素晴らしいと思う感覚は、とても健やかだったと今はわかる。

そんな母から教えてもらった曲。
母はよく鼻歌で歌っていた。今度会ったら一緒に歌おう。

やけにさみしそうな顔をしているじゃないか
僕たちの人生って そんなはずじゃないぜ
たとえ今日が さみしすぎても
涙を拭こうよ 明日のためにさ

夢が夢があるから 歌おうじゃないか
もっともっと 陽気にさ 僕たちの人生をさ
夢が夢があるから 歌おうじゃないか
もっともっと 陽気にさ 僕たちの人生をさ

陽気に生きようこの人生をさ(中川あつお)


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