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病院で治療できないことを治療する

こんばんは!

今日は冷えますね。
やっとで暑い季節が終わりました。これから一気に冬に向かうのでしょう。

季節が変わるって自分で体感しているのに変わってしまうと直ぐにその前のことを忘れてしまいます。不思議な感じです。


さて、今日は医療者であるわれわれが日々抱えている問題について取り上げます。

病院を受診する人の中にはその場で症状が治ってしまう人心配で来ただけで話すだけで安心して帰って行く人もいますが、ほとんどの人は今後の経過次第ということになります。

わからないものはわからない。自分たち医師も神様ではないと思いますが

「どうすれば良いのか分からないから病院に来たのに、どうなるかわからないと言われた」

と散々な愚痴をこぼして帰って行かれる方がたまにいますが、まさにその通りなのです。せっかくつらい体で病院に来たのに、目的がそこにしかなかった場合は最大の無駄足になってしまっています。

われわれはこの問題に立ち向かわなければいけません。


運動器健診がコロナ体制の合間を縫って行われています。去年ほどではないですが、休校が続いたりすることでスケジュールが押してきており毎週の様に健診に出かけています。

健診で引っかかった子はその後に整形外科を受診することが多いです。仕事を早めに切り上げたり、休みを取ったり。受診のハードルはそう簡単ではありません。しかし、多くは「異常なし」という結果で返ってくることになります。

だって普段から生活上問題ないので。。。多くの障害(ここではまだ表面化していない)は生活の中で発生し、代償という形でその生活スタイルに適応しており、症状がなにも出ていない状況です。

ここでそのまま終わるとなにも改善しません。時間とともに悪化していくことも考えられます。

自分の持っている外来では、異常なしという結果(治療が必要というレベルではないため)が出た場合でもきちんとその状況を説明しています。

どうして今回健診で引っかかったのか。
普段のどういうことが原因か。
将来的にどうなる可能性があるのか。
今後の生活をどうすれば良いのか。

こういったことを伝える様にしています。
これってデザインの仕事と同じではないですか??

その人の生活を医療の面から効率良く、適切にデザインしてあげる。そこには食事の内容や活動の方法、生活のリズムの作り方など様々な要因があります。


いまはまだ言葉にして説明したり、専門家の目線からチェックしなければいけません。これが当たり前の考え方になり、知らないうちに治っていたり、専門家でなくても指摘して改善できる世の中がきっと自分の一番の理想だと思っています。

中川将吾
小児整形外科専門ドクター

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