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リハビリテーションの施設基準

こんばんは!

昨日はスタッフ募集に関してちょっと突っ込んだ内容を投稿しました。

その反応からあらためて注目の高さを自覚し、身の引き締まる思いです。今後もよろしくお願いします。


整形外科クリニックを開業する際、診察よりもリハビリテーションのウェイトを高くすることが一つの傾向として考えられます。

ドクターが数人のみで、療法士が数十人いる巨大なクリニックが都市を中心にして流行っていたりもします。

しかしそういう巨大なクリニックでなくても、整形外科クリニックは1日の来院患者数が200人を超えたりしています。その中の半分近くがリハビリテーションのみの患者さんということもあります。

リハビリテーションを診療の中心に据えるとなると、最低でも複数名のPT/OTが在籍することになるため、運動器リハビリテーション料2は目指すことになると思います。ここから運動器リハビリテーション料1を取りに行くのかどうかが気になるところです。

運動器リハビリテーション料2と運動器リハビリテーション料1がどれだけ点数が違うのかを比較してみました。(2021年9月現在)


運動器リハビリテーション料2の施設基準「170点」
運動器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務
専従の常勤理学療法士又は専従の常勤作業療法士が合わせて2名以上勤務

リハビリスタッフ2人で、1日40単位(20単位/人×2人)の算定としておきます。
運動器リハビリテーション料1 施設基準「185点」
運動器リハビリテーションの経験を有する専任の常勤医師が1名以上勤務
専従の常勤理学療法士及び専従の常勤作業療法士が合わせて4名以上勤務

リハビリスタッフ4人で、1日80単位(20単位/人×4人)の算定としておきます。

その差は15点とわずかに思われますが、数が多くなるとその差は歴然です。
さて実際に計算してみます。

○施設基準2

1700円(170点)×40=68,000円

1か月に診療日が24日あるとすると、

68,000円×24日=1,632,000円


○施設基準1

1850円(185点)×80=148,000円

1か月に診療日が24日あるとすると、

148,000円×24日=3,552,000円


つまり、リハビリスタッフが2名→4名となることで、収益的に

3,552,000円 - 1,632,000円 = 1,920,000円

これだけの増益になれば、スタッフは2人、3人増えても問題ないことになります。

この価値を元に簡単に考えると、リハビリテーションのみの通院患者数が50人の施設では運動器リハビリテーション料2としておいた方が良いわけですね。

もちろんリハビリスタッフの仕事はそれだけではありませんが、だいたい目標としている基準はこんなところです。


これがどれだけ療法士の採用を増やしたとしても、リハビリテーションの数が増えれば問題ないと思われる理由です。


最後に、ここで出てきた40単位、80単位とはどれくらい大変なのかと言うことですが、1人2単位算定するとしてもそれぞれ20人、40人の通院患者数が必要なのです。週1回通院するとしても、かなりの人数となります。

初月から達成するにはかなりハードルが高いかも知れません。そのためスタートの採用数を減らして、最初は施設基準2で始めるのもありだと思います。

採用をいろいろ考えつつ、このあたりのことをもう少し詰めていきたいですね〜。

中川将吾
小児整形外科専門ドクター

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