【22日】レントゲンを撮るときに考えること

こんばんは!

開院まであと3週間です。迫ってきました。

先週から今週にかけて、院内のレントゲン設置工事が行われていました。建物ができあがった段階では、レントゲン室内はまだ何も入っておらずガラーンとしていました。

そこに大きなトラックでなにやら物々しい機械がどんどんと運ばれてきました。

そう。これがレントゲンの照射装置です。体の正面に向けられているあいつ。照射装置なので、記録するのは反対側です。

その記録する方が今回のミソになります。


最終的な仕上がりがこんな感じになりました。

右側の写真に写っているのが記録する方です。
ここにはフィルムに当たるものが入るのですが、フィルムカメラが無くなった様に、レントゲンもデジタル化が進んでいます。

当院のレントゲン記録装置はすべてデジタル化し、撮影した画像が数秒で確認できる様になりました。

これまで1枚撮る毎に数十秒〜数分かかっていた時間が大幅に短縮され、検査から診察までの待ち時間が少なくなります。

さらに注目なのは、この機械の大きさです。

通常の撮影装置の3倍はある大きさ。ここにはその記録装置が3枚ついているのです。

こうすることで、3回に分けて撮影していた長尺と呼ばれるものを、1回の撮影で完了できます。長尺とは側弯症や膝や股関節の障害の際に撮影する方法です。

3回にわけて撮影と、簡単そうに見えますが、これがやる方は大変です。立ったままの撮影だと、その間動いてはいけないことになります。仮に動いてしまっては、最後に1つの写真に合成するのですが、そこで大幅にずれてしまい、やり直しになってしまう可能性もあるのです。

長尺撮影が可能であれば、撮影は1回で済みます。

動きを止めて我慢することができないこどもにも優しい撮影ができます。

ここにかけるこだわりがなかなか他人には理解ができません。なにせかなりの額の投資をしなければいけないので。。。

この撮影装置。デジタルだと1枚あたり数百万します。なので軽くその3倍です。

当院では購入した医療機器の大部分をここに使っています。それほどこのシステムが必要と考えているからです。

多くのこどもが通い、本当に大丈夫かを確認することになります。しかし、そのためとはいえ、不要な被爆を少しでも減らせるのであれば、その方法が最良だと思います。

レントゲン撮影の奥深さ。分かっていただけましたか?

今後もよろしくお願いします。

中川将吾
小児整形外科専門ドクター

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