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8/13「夏休みスペシャル!こども性教育」開催レポート②(高学年向け)

「性教育について子どもたちに伝えられる場を作りたい」と、小学生の子どもを持つファミワンのメンバーが話し合い、昨年より開催している「夏休みスペシャル!こども性教育」。今年は「高学年向けもやってほしい」というご要望を受け、低学年向け・高学年向けの開催となりました。低学年は基本的な内容ですが、高学年はより実践的な内容を含めてお届けしました。

セミナーにご参加いただいた方の満足度を見ると、低学年、高学年ともにご満足いただける結果となっています。


前回、低学年向けのセミナーをご紹介しましたが、今回は高学年向けのセミナーの内容についてご紹介します。

【高学年向けセミナー】
高学年向けセミナーでは、ファミワンの臨床心理士(さやねえ)と、不妊症看護認定看護師(にっしー)が、参加者に対して簡単にセミナーの参加方法をクイズ形式で行いながら開始。高学年はチャットも戸惑うことなく使いこなし、積極的にクイズに参加していました。高学年向けでは、低学年向けのセミナーの内容に加えて、性の多様性(SOGIE(ソジー))や、インターネットでの情報の見方、小学生が巻き込まれやすいSNSを使った犯罪の例など、踏み込んだ内容を取り扱っています。

プライベートパーツについて

最初はファミワンの臨床心理士(さやねえ)から、「プライベートパーツは、どこのことを指すでしょう?」という問題です。

参加していた子供達の多くは、既に知っている人が多いのかな、というほど正解率が高かったのですが、中には「手」を選ぶ人もいました。

”プライベートパーツというのは、①口、②胸、③おしり、④性器のことです。水着を着たときに隠れるところとお口です。男の子の水着は上半身裸のことが多いですが、男の子にとっても胸はプライベートパーツです。ここは、人間の体の中で、とても大事な場所です。
例え相手が親でも、仲良しのお友達でも、他人が勝手に見たり触ったりしてはいけない場所です。他人に自分から勝手に見せたり触らせたりしてはいけない部分です。

男の子の性器について

”男の子の体の中で、みんなが『おちんちん』と呼んでいる場所は「ペニス」という名前です。「ペニス」の裏側についている袋のようなもの、みんなが『たま』と呼んでいるものは「精巣」と言います。その外側をおおっている袋のようなものを「陰嚢(いんのう)」と言います。他にも、性器の中には沢山大切な部位があります。お尻には肛門もあります。”

女の子の性器について

”これは、女の人が股を開いて前から見たときの図です。まず、うんちが出るところを肛門(こうもん)と言います。おしっこが出るところを尿道口(にょうどうこう)と言います。
その前にクリトリスという部分があり、肛門側にワギナ・膣(ちつ)と呼ばれる場所があります。”

”自分の体を知るときに「おちんちん」「たま」といった呼び方ではなくて、正しい呼び方を覚えて欲しいと思っています。”

プライベートパーツのルールについて

  • 家族でも友達でも先生でも、他の人が勝手に触ってはいけない

  • 家族でも友達でも先生でも、他の人が勝手に写真を撮ったりしてはいけない

  • 触りたいときや、触る必要があるときは本人の許可をとって触る(例えば、虫刺されなどでプライベートパーツにお薬を塗らなければいけないときに触る必要がある場合など。)

”あなたの体は全部大事です。大事ではない場所はないですよね。自分の体のどこに、誰がどんな風に触って良いのか、それはあなた自身が決めて良いことです。もしも、触られて嫌だと感じたら、相手が誰であっても「嫌だ」「やめて」とはっきり言って良いんですよ。

成長期について

ここで、不妊症看護認定看護師(にっしー)にバトンタッチ。にっしーから「人には体と心がぐーんと成長する時期があります。それはいつ?」という問題です。

1つ目は赤ちゃんの時期なのですが、もう1つあります。それはいつでしょう。
「①3-5歳、②6-9歳 ③10ー14歳、④20-24歳。」
この問題は多くの子供達が正解しました。

”この時期に心も体も、ぐーんと成長していきます。グラフで見てみましょう。青い腺が女の子の曲線、黒い腺が男の子の曲線です。これを見ると、グッと山になっているところが、少しずれています。女の子の方が少し早く、このぐーんと伸びる時期が早く来るよ、ということが分かっています。”

”では、心と体にどんな変化があるかな、というのを見ていきます。例えば、男の子は喉ぼとけが出てきて、高い声が低くなる、口の周りや脇に体毛(毛)が生えてきたりします。毛が生えてくると、そこから汗が出て来て独特の匂いがしてきます。これも自然な変化です。また、性器の付近に陰毛(いんもう)が生えてくる、性器が発達する。また、(膝など)色素沈着なども増えてきます。”

女の子は、乳房が大きくなってきます。お尻が丸くなってくるなど、体全体がふわふわと丸みを帯びてきます。また、女の子は月経(生理)がはじまる。生理が始まる前にはおりものがはじまる。男の子は射精がはじまる。といった変化が起きてきます。”

この変化は、個人差がかなり大きいものです。変化のスピードもそれぞれです。『僕はまだこういうことないな』『私はもうこの変化がある』とか。例えば、声は低くなってきているけれども、まだ脇の毛は生えてこない、といったこともあります。それはとても大切なこと。一人一人の違いを大事にしてください。こういう変化が見られる時期が第二次性徴※の時期です。”

※第二次性徴…中学校保健体育の教科書では「第二発育急進期」と記載されています

赤ちゃんが生まれてくる方法は2つある

赤ちゃんが生まれてくる方法は、お母さんの足と足の間、膣から出てくるという方法と、お母さんのお腹を切って出てくるという2つの方法があります。

受精には卵子と精子が必要

”そして、命が作られる、「赤ちゃんのもと」が作られるためには、卵子と精子が必要ですね。この二つがなければ命が作られません。卵子は女性がもっていて、精子は男性が持っています。先ほどの第二次性徴の体の変化というのは、こういう準備が始まっているということなんです。”

“卵子と精子は受精(じゅせい)して、受精卵と呼ばれる赤ちゃんの元になっていきます。受精卵は「分割」という成長をしていき、胚(はい)と呼ばれる状態になって、子宮の中に着床(ちゃくしょう)していきます。”

妊娠するための方法は3つある

“受精卵がお腹の中に入って着床することを妊娠(にんしん)と呼ぶのですが、妊娠する方法は、3つあります。1つ目は、性交渉。男性のペニスを女性の膣の中に入れて、男性が射精をして精子を女性の子宮の中に送り届ける。直接男の人が女性に精子を送り届ける性交渉という方法。もう1つは医者が男性の精子を送り届けるという人工授精という方法。3つ目は卵子を体の外に取り出して、精子と合わせて、受精卵になってから子宮の中に入れるという体外受精。今は、この3つの方法が妊娠の方法になっています。

これは、どの妊娠の方法でも間違いなどではありません。みんなも大人になって、子どもが欲しいと思ったときに、どの方法で妊娠をするか選ぶことはできますし、どれを選択するか、それはわかりません。でも、どれが良い、悪いということではないということを分かっておいてください。”

いつか妊娠する時のための男の子と女の子の変化

“では、子どもを持つための体の変化はどのようなものなのでしょう。男の子でいうと、射精が起こる、と書いてあります。射精が起こることを精通(せいつう)と言います女の子は、生理が始まる。月経と生理と言う言葉は同じ意味で使います。
月経が始まる、月経が始まる前におりものがはじまる、というのは、いつか妊娠する時のための準備になってきます。”

生理について

“女の子のお腹の中には下腹あたりに子宮というものがあります。子宮は、赤ちゃんがこの中で着床して、10ヶ月で育つためのお部屋のような役割をします。子宮の近くには卵巣があり、左右に1つづつあることがほとんどです。この子宮の中に、血のベッドができて、それが剥がれ落ちてくる。この出血が生理です。それでは何故、生理が起きるのでしょうか。ここから少し難しくなります。
卵巣から卵子が、だいたい1ヶ月に1回ぽこんと飛び出ます。それに合わせて子宮は内膜と言って、血のベットを作っていきます。妊娠しなかったな、と卵子や子宮が察知すると、そのベットがドロドロドロッと剥がれていきます。これを1ヶ月に1回くらい起こしていくというのが生理です。だいたい、血が出て来ている期間は3日間~7日間くらいの人が多いです。なので、1ヶ月のうちに3日間~7日間くらい血が流れていく生理が起きてきます。”

精通について

男の子は精通(せいつう)という変化が起きてきます。精子は、精巣で作られます。これが出てくるのが精通と呼ばれる現象です。早ければ10歳くらいで始まり、遅くて18歳くらいまでに始まると言われています。みんなの中には、精通がもう始まっている人もいるかもしれませんね。
どのように精通が起きるかというと、海綿体というところがギュッと硬くなり、血が集まって、精巣から精子が出て、おしっこが出てくる尿道を通って精子が出て来ます。

精子はどういう時に出てくるのか、というと、3つあると言われています
1つは、キスシーンなど、性的な場面を見た時。2つめはペニスを刺激したり、こすれたりした時。3つめは寝ているときに性的な夢を見たとき、と3つあると言われています。

寝ているときに「あれ、お漏らしをしてしまった!」と思うことがありますが、精子が出ていた「夢精」と呼ばれる現象が起きることがあります。
もし、精液が出てきてパンツが汚れてしまった、ということがあったら、自分で洗ってみましょう。お家の人に「どうして洗っているの?」と聞かれても、「汚れたから自分で洗っているんだ」と言うと良いと思います。”

性器の洗い方

次は、性器の洗い方で、間違っているものはどれでしょう。という問題です。

“「①石鹸でごしごし洗う、②キレイな手で洗う ③優しく洗う、④毎日洗う」のうち、間違っているものはどれでしょうか。

多くの子供達が既に洗い方を知っているようで、正解率がとても高かったです。

“答えは、①石鹸でごしごし洗う、です。洗い方をイラストで示していますが、男の子はペニスの皮をむいてシャワーを優しくかけて洗うと良いです。女の子はこのように立て膝でお尻を上げた状態で洗うと洗いやすいです。ボディソープで洗うと、荒れてしまったり、女の子で、おりものが多いからといって石鹸で洗ってしまうと、逆におりものが増えてしまうこともあります。なので、是非優しく洗って、毎日清潔にすると良いと思います。”

PMSについて

次の問題は“生理の前や生理の時に「体調が悪いな」と感じる人はどれくらいいるでしょうか?という問題です。

この問題は、②80%と答えた子供たちがとても多かったのですが、正解は③90%でした。

多くの女性が、生理の時に嫌な感じを感じています。この嫌な感じには、名前がついていてPMS(ピーエムエス)と呼びます。例えば生理の前に、気持ちがめいったり、心の症状が出たり、眠たくて眠たくてしょうがない、授業中も眠い、といった症状があるかもしれません。これから生理を迎える女性は、ちょっと調子が悪いなということを感じることがあるかもしれないし、男の子は、生理を迎える前に結構多くの人が嫌だな、ということを感じているんだ、ということを今日、知ってもらえたらいいなと思っています。”

生理用品について

ここでは、にっしーが、生理用品の紹介を1つ1つ丁寧に使い方を含めて紹介しました。

“女の子は、こういう物を使うんだな、ということを知ってください。男の子は、こういう物を女の子は使っているんだな、ということを知ってください。”

説明の動画の中では、具体的にどのようにショーツにナプキンを付けていくのか、取り替えるときにどうやって取り替えるのか、どうやって使用済ナプキンを棄てるのか、おりものシートの付け方などを紹介していきました。また、最近出ていた月経カップや、給水ショーツの紹介もしました。

ナプキンの交換のタイミングは?

次に、ナプキンを取り扱うユニチャーム様から頂いた情報をもとに、ナプキンの取り替える頻度や、スポーツなどをしている子が使いやすいナプキンの種類などをご紹介しました。

今回、ナプキンの交換のタイミングは?という質問を、生理用品を扱う企業である、ユニチャームさんにしてみたところ、答えてくれました。『ナプキンの交換は、2~3時間に1回は交換して下さい』という回答をいただきました。付けっぱなしにしていると、痒くなってしまったり、感染の原因になったりします。

授業を受けたら、中休みには1回、昼休みには交換する、というのがおすすめです。ナプキンに血があまり付いていなくても交換できるといいかなと思います。もし授業1時間受けていて、ナプキンがひたひたで漏れちゃう、というくらい出血している場合は、保護者の方と一度婦人科に相談してみる、というのが良いと思います。かぶれてしまうひとは、オーガニックの敏感肌用のものもあるので、そういうものを使ってみるのもいいと思います。”

“スポーツをしている子は、スポーツ用のナプキンもあります。これはずれないような設計になっているそうです。あとはタンポン。初めての生理のときも使えます。何回か練習してみてもいいかもしれません。また、量が少ないときはシンクロフィット。こういうものも、付けている感覚がないので、おすすめです。”

前半のまとめ
・10-14歳くらいで成長する時期がくる
・精通(男の子)や月経(女の子)が始まる
・生理を快適に過ごすコツがある
・ひとりひとりの違いを大切に

SOGIE(ソジー)について

ここからは、後半です。後半は、臨床心理士(さやねえ)にバトンタッチです。“後半の1つめの質問は、これって普通かな?という質問です。普通だと思うものを選んでください。”

“「①スカートをはくのは女の人、②男の人は女の人より力もち、③料理を作るのは女の人 ④赤ちゃんをうむのは女の人、⑤けっこんするのは男の人と女の人、⑥者庁になるのは男の人」 複数選ぶこともできます。みんなはどんなことを普通だと思っているのかな、ということを聞いてみたいと思います。”
子どもたちの回答を見ると、赤ちゃんを産むのは女の人が普通だと思っている人は、76%いました。

“ここで「性には4つある」というお話をします。1つ目は、生まれたときの性。これは男性や女性ということを、性器の形を見てお医者さんが判断しています。でも、中には多くの赤ちゃんの性器とは違った形で生まれてくる子もちょっとだけいるんですよ。だから、生まれて来たときに性器の形だけで男の子や女の子だと判断するのが難しいという子もちょっとだけいます。

2つ目は自分の性別をどの性別だと考えるかという「心の性」です。自分は男性だ、自分は女性だ
と思う人もいれば、どちらでもない、と思う人もいるし、決めたくない、という人もいます。

3つ目は「好きになる性」です。男性が好きになる人、女性が好きになる人、男性も女性も好きという人、性別は関係なく好きになる人、好きにはならない、という人もいます。

4つ目は、「表現する性(見せたい性)」社会的性ともいいます。自分のことを周りにどんな風に見て欲しいかっていう意味です。男性に見えるような、女性に見えるような服装、メイク、髪型、しゃべり方、しぐさ、性別は関係ないよ、という人もいます。

心の性、好きになる性、表現する性を合わせて、SOGIE(ソジー)といったりします。ソジーと言う言葉は聞いた事あるかな。これからどんどん、聞く機会が増えてくる社会になってくると思います。

例えば、色んな人がいるから、生まれたときの体は男性で、心の性を女性と思っている人もいるし、好きになる性は女性で、心の性も女性、という人もいます。色んな組み合わせがあります。
じゃあ、あらためて、普通ってなんだろう?

SOGIE(ソジー)の話をした後で、改めて子供達に問いかけます。

“性には色々な組み合わせがあります。じゃあ、そう考えると、普通って何だろうね?さっき、みんなに聞いた、女の人や男の人って、一体何を指しているんだろう。何が普通って言えるんだろう?

例えば、体の性が男で、心の性も男の人で、表現したい性が女の人だったらスカートを履くかもしれないよね。そうすると、スカートを履いたって良いよね。男の人は女の人より力持ちというのも、そうとは限りません。

男の人よりも、力持ちの女の人もいるし、心の性は女の性だけど、体の性は男の人だったら、ここでいう男の人と女の人って、どうやって決めているの?っていう話になるよね。赤ちゃんをうむのは「子宮がある人」なんです。

「④赤ちゃんをうむのは女の人」のここでいう女の人っていうのは、体の性が女の人を指しているのか、心の性が女の人なのか、これだけだと分かりません。⑤のけっこんするのは男の人と女の人、というのも、日本で法律上結婚できるのは戸籍上、男の人と女の人というだけのことです。

戸籍が女性同士だったり、戸籍が男性同士であっても、愛し合っているカップルっていうのは日本にも沢山いて、法律では結婚できないけれども、一生一緒にいようね、と約束しているカップルは沢山います。

私達が「普通」とか「当たり前」と思っていることの中には、「思い込み」や「決めつけ」で作られていることが沢山あります。

“男の子が「僕(ぼく)」とか「俺(おれ)」という言葉を使うと思いますが、女の子が「僕」とか「俺」を使っても全然おかしくない。表現の性は自由です。

もしかしたら、大人になったら結婚して子どもを作るのが当たり前、と思っている人がいるかもしれないけれど、結婚をしない人もいるし、子どもを欲しくない、という考えの人もいます。後は、子どもが欲しくても出来ない、という人もいます。

世の中には自分と違う考えの人も沢山いるのだから、何か普通だとか、当たり前だと決めつけたりせず、色々な人の話を聞いてみて欲しいなと思っています。”

インターネットは簡単に嘘がつける

次は「あなたは、インターネットで何を使っていますか」という質問です。

結果は、グーグル検索、ユーチューブを使っている人がとても多いという結果になりました。
また、Twitterを使っている人もいました。LINEを使っている人も多くいました。

”インターネットやSNSはとても簡単に嘘をつける、ということも、ここで知っておいてほしいと思います。本当じゃないことや噂が沢山あるし、SNSでは、プロフィールに書いてある年齢、性別、住んでいるところ、顔写真だって加工できてしまいますよね。

具体的な例を2つ挙げてみます。1つは、随分前に熊本で地震が起きた際、Twitterに「ライオンが逃げたぞ」という投稿がされました。その画像は、道の真ん中をライオンが歩いている、という合成写真でした。これがTwitterで、バーっと拡散されました。これを見て、凄く不安になった熊本の住民の人が沢山いたんです。でも実際には嘘でした。

2つ目のケースは、2020年、2年前の2月、ちょうどコロナが流行始めた頃に、マスクが売り切れになった時期のことです。そこで、「次は同じ紙を使っている製品、トイレットペーパーも品薄になるぞ」というデマがSNSで拡散されました。すると、トイレットペーパーが売り切れになって、薬局で買えなくなるということが実際に起きました。こういった、デマ・嘘のことをフェイクニュースといいます
インターネット上は、本当の情報も嘘の情報も溢れています。だから、調べる力を身につけましょう。”

調べる力を身につけよう

1つの動画や記事だけを信用しない
・違う意見の動画や記事も見てみよう
・誰が作ったのか確認しよう
・いつ作られた動画や記事なのか確認しよう

“私達は、実際に会って話す時、相手の嘘をどうやって気づきますか?例えば「目がきょろきょろしてるよ」とか「まばたきがすごく多い」とか、話すスピードがはやくなったり、聞いてもいないのに沢山話したり、といった仕草があります。これは、アメリカの警察のFBIで、嘘についての研究をしている人達が沢山いるのですが、その論文から調べて紹介しました。相手の話し方や体の動きで「これは嘘だ」と気づいていることが多いんです。でも、インターネットやSNSでは分からないですよね。動画だって、いくらでも編集できてしまいます。”

小学生がインターネットやSNSで被害に遭いやすい相手・時とは

“小学生が、インターネットやSNSで「被害に遭いやすい相手」、「被害に遭いやすい時」を紹介します。さやねえは、警察署に勤めていた時、小学生が、裸の写真を相手に送ってしまったり、逆に裸の写真を送りつけられてしまったり、といった被害にあった人のカウンセリングを沢山してきました。とても傷ついた人達を沢山見てきたので、この話を是非したいなと思います。こういう人を信じて、結果的に被害に遭うことが多いよ、というお話です。”

“まずは、YouTuberなどで、有名な配信者だったり、あこがれの人です。YouTuberの配信者本人の場合もあるし、配信者のフリをして近づいてくる人もいます。あとは、あなたと同じ年齢、同じ性別のフリをして、悩みを聞いてくれたり、優しくしてくれたりする人住所を特定してやるぞ、と攻撃的に脅してくる人もいます。あとは、ビデオ通話やチャットで楽しく話しかけてくる、といった、こんな人から被害に遭いやすいです。でも、最初から「住所を特定してやるぞ」と脅してくる人は凄く少ないです。

最初は、あこがれの人だったり、優しくて悩みに寄り添ってくれる人、楽しくビデオ通話やチャットをしている人が加害者になって、結果的に皆さんくらいの年齢の人が色んな被害に遭うことがあります。”

”例えば、最初に仲良くなっていると「どこに住んでいるの」という話題になったりします。うっかり、「東京のどのへんだよ」と言ったりします。「顔の写真を送ってくれたら通話するよ」と言われたりして、顔の写真を送ってしまいます。今度写真を送ったら「裸の写真を送って」と言われたりします。この辺でみんな、あれ、おかしいなと思ってしまいます。「男同士だからいいでしょ」「女同士だからいいでしょ」と、なんとか裸の写真を送らせようとします。

そして、「顔の写真をばらまくぞ」などと言われて、怖くなって仕方なく、裸の写真や下着姿の写真を送ってしまうことがあります。一度インターネットに流れた写真や動画は消すことができません。これをデジタルタトゥー、といいます。

自分の顔の写真、裸の写真、自分の部屋の写真、近所の道の写真なんかも、送らない、住所や学校の写真も絶対に送らない。近所の道の写真って、電柱に書いてある住所やマンホールに書いてある番号で場所が特定できたりします。ちょっとした背景で、みんなの住んでいるところは簡単に特定されてしまいます。会ったこともない人、親も知らない人には個人情報は絶対に出さないことです。

家族でも、友達でも、先生でも、好きになった人でも、裸の写真、下着の写真は絶対に送らない。これは、インターネットで会った人だけではなくて、実際に会っている家族でも友達でも、将来恋人に成った人でも裸の写真や、下着の写真は送っちゃいけない。それはあなたの大事な体だからです。

写真や動画にして、相手に送ってしまった時点で、その写真や動画は相手の物になってしまいます。あなたの大事な体なのに、相手の物にされてしまいます。だから絶対に相手に体の写真は送らない。”

もしも、裸の写真や下着の写真を送ってしまったら

もしも、裸の写真を送ってと言われたり、実際に送ってしまったら、すぐ信頼できる大人に相談してください。お家の人、学校の人、スクールカウンセラーさんが相談に乗ってくれます。
ばれたら怒られる、と思うかも知れません。あとは、相談された大人も最初はびっくりして、「え!」と、大きな声を出したり「何でそんなことしたの?」と言うかもしれません。大人もびっくりすることはあるからね。それが怒っているように聞こえるかもしれません。
でも、もしこんなことが起きたらどうしようか、ということを今日をきっかけにお家の人と話して欲しいと思います。

悪いのは、嘘をついたり、だましたりする人で、加害者です。被害に遭ってしまうということは、どうしても避けられないこともあるので、被害に遭わないためのルールをお家の人と話し合って欲しいです。保護者のみなさんも、是非、体のこと、ネットの使い方など、あらためて話し合って見て欲しいなと思います。

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高学年向けセミナーは、妊娠や出産に関する知識をはじめ、小学校高学年の子供達が、自分自身の体に起こる生理的な変化とそれが生じたときの具体的な対処方法、そして、SOGIE(ソジー):性の多様性や、インターネットの情報の見方、SNSを通じて生じる犯罪のケースなど、実践的な内容を網羅してお伝えしています。また、高学年向けセミナーは、子供達自身がどのように考え、どのように行動すれば良いか、問題提起をする内容を含めて構成しています。また、これらの内容を一緒に聞いた親御さんにとっても、普段なかなか話さない内容だからこそ、お子様達と話し合える機会の創出に繋がれば、と願っています。

セミナー終了後にはこのような感想も寄せられました。
「アンケートで皆さんの認識度がわかったり、わかりやすい言葉で生理や射精の話をして下さったり、LGBTQの性の認識までが学べるのはありがたいと思った。」

「最新の生理用品がとても参考になりました。「これってふつう?」は大人も子どもも思い込みにより世間に対する偏見を自然に抱いているのだと実感しました。」

「自分の体も誰か他の人の体も大切にしなければいけないんだなということが分かった。あと、色んな人がいるんだということがわかった。男の人だってスカート履いてもいいんだなと思った。」

ファミワンでは、学校や自治体、企業に向け、多岐に渡るセミナーを開催しております。
これからも、ファミワンの活動を通じて、妊活や不妊治療をはじめとし、性教育などのセミナーを様々な場所で開催できるよう、邁進してまいります!

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