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田舎のおばあちゃんのアイデアをビジネスにするには(第1章)

タイトルに「おばあちゃん」とあるのは、私の母親のことです。
客観的に考えるために、あえて「おばあちゃん」としてみました。


おばあちゃんについて紹介

貧しい家庭に育ったため、中学卒業後には県外の製造工業へ働きに出ました。
学歴は中卒ですが、学生時代には図書館の本を片っ端から読み漁ったそうで、知的好奇心が高い人です。
田舎に戻って結婚して、子育てしながらいろんな仕事を手伝う傍で、周りの仲間たちと食に関わる産業創出にチャレンジします。

特産品開発に挑戦

わさび、いちじく、みそ、トマトジュース、…地域で採れた農作物を中心にビジネスにならないだろうかと試行錯誤してきたそうです。
でも、いずれもビジネスとして成立させることができませんでした。
周囲の地域では、同じアイデアが地域の特産品として県外含めて大々的に売り出されていくのにな。
私がそれらと味や品質などを見比べても、決して劣っていることはないです。

「その違いはどうしてだろう?」と質問してみました。
いくつか挙がったのですが、まとめると以下の点に集約されました。

  • 一定品質のものを一定数量を一定期間継続して提供することができるか、できないか

  • 行政から補助(お金、ノウハウ、販売)を受けたか、受けなかったか

うまくいかない問題点を整理

一定の〇〇を提供する

大手スーパーやコンビニチェーンなど「大量生産・大量消費」が原則の取引先ならば、これは守らないとそもそも取引が成立しません。
また、長距離の搬送や長期間保存などをクリアするためには、加工機器や施設なども必要になってきます。
となると、そもそも大規模生産の条件が整うことが条件です。
昭和の時代には「補助金で加工施設を作って〜」みたいなことが流行っていたのですが、今は令和の時代です。
スーパーには地元農家さんの商品が並べられるスペースがあったり、現地へ購入しに来る人がいる時代です。
薄利多売で大量生産するビジネスをやめることで、解消できる気がします。

行政から補助を受ける

近隣地域で同種産業がビジネスとして大きくなっているところをみると、たしかに「行政マンがキーパーソンになって一緒になって取り組んでいる」ことは事実です。
国や県の補助金を活用して、施設を作ったりノウハウを提供したりすることについて、身近な市町村の担当者が関わってくれることは大きいです。
自分たちがやりたいことが、行政の産業政策の中心になってくると一気に大きく動くことは想定できます。
でも行政としては「一部の人の利益にしかならないことはできない」ので、話の持っていき方を誤ると「自分たちでがんばってください」と一蹴されるだけですね。

平成〜令和の時代になって市町村合併や行政改革が進み、地域の人と行政との関わりがますます薄くなってきているので、直接頼ることも難しくなってきました。

でも、果たして協力してくれる人は行政だけなんですかね。
民間企業の中にもノウハウをもったところがあったり、同じ課題を抱えているところもあります。
最近では金融機関が仲介役となってサポートしてくれるケースも増えてきました。

その上で行政に頼ってみるほうが良さそうですね。

根本的な課題

いいものを作れば売れる

「ものづくり大国日本」という言葉は間違っていないと思います。
高等学校でも、農林・工業・水産などの専門高校には多額の予算(人的・物的)が割り当てられており、生産に関わる職業に関する人材育成に貢献してきました。

日本の和牛、水産物、工業製品、いずれも良質なものに間違いないです。
でもどうして売れなくなったのでしょうか。

自分の買い物を振り返ってみると、
ダイソー(100円均一)でいい、アメリカ牛肉でいい、そんな感じです。
日本製品は良いのは分かるけど買っていない、という現実。

お店に行けば「◯◯はこんなに素晴らしい」というアピールPOPを見かけますが、あまり響かない、刺さらない状況。

これでは売れないのは当たり前か…

ものづくりにマーケティングの視点

生産・製造する立場からすると、「良いものを作りたい」という視点。
販売する立場からすると、「売れるものを作ってほしい」という視点。

おばあちゃんの話をきいていると
・一生懸命作ろうとしている
・地元の良い素材を使って作りたい
・できるだけ安くして売りたい
とのことで、生産者の視点で考えていることがあらためて分かりました。

そこで問いかけました。
・誰に売りたい?
・どれぐらい売りたい?
・商品の特徴は?
ここらあたりがとても曖昧でした。(予想どおり)

次回の課題

現状の分析ができたところなので、購入者にどのような「価値」を届けられるか、次回あらためて整理してみようと思います。

考えるにあたって参考にした書籍はこちらです。

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