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「うん」しか言わない1歳児と心を通わせ夜泣きを止めるまで(子育てバナシ)

Family Workationのフォロワーさんには子育て世代の方が多いので、みなさんと子育てバナシもできればと思い、こんな記事を書いてみました。

子どもの睡眠のこと。とくに小さい頃は本当に悩ましいですよね。

我が家では、1人目は添い乳やら抱っこやらで寝かしつけ。2人目はジーナ式をやりました。いまは2人ともかなり安定的に眠ってくれるようになってとても助かっています。ジーナ式もやってよかったと思っています。

けれどちょうど1年ほど前、こんな大変な夜がありました。でもその夜をきっかけにぴたりと夜泣きは止まり、何かを乗り越えた感覚がありました。

1年前の今ごろ・・・ 

基本的にはよく寝てくれた下の子ちゃん。それでも当時、原因不明の夜泣きに困っていました。突然わーっと泣いて、リビングに行きたいという主張をするのです。しゃべれないので、一生懸命リビングのほうを指差して。そしてリビングでクッションの上に転がすとそのまま1人ですーっと眠ります。

しばらくは、まぁ本人が寝られるならどこでもいいかと思い、仰せのままに連れて行っていました。でもやっぱり夜中に起こされるのは正直つらい。本人の体力回復のためにも望ましくはない。

そしてその夜泣きが始まって3日目の夜。また同じ主張。よし、もう連れて行くのはやめよう。誰がなんと言おうと、ここでみんなで寝るってことをわかっていただこう。そう心に決めました。でもどうやって、まだしゃべりもしない1歳児にわかってもらえばいいんだろ。。

作戦1 まずは気をそらす。

そうちゃん、おうた歌って寝よう、といったら、「うん」と(普段から「うん」「やだ」は言える、つまり人のいうことは当時ほぼ理解していました)。しばらくうたを歌っていたらしーんとして、そのまま寝る雰囲気だったけどやっぱり泣き出しました。

作戦2 しばらく寝たふりをしてみた。

夜泣きの対処法としてまずしばらく無視せよとはよくものの本に書いてある話。泣きそうになってしくしく言って、母を起き上がらせようと足でぐいぐい押してくる。結構痛いのでごろごろ布団を転がって逃げる。そして一向に寝る気配なく、わーーーーーーっと泣いてしまった。大失敗。

最終手段 やはりちゃんと話してわかってもらおう。


抱きあげて、そうちゃん、行かないよ。ここで寝るんだよ。と話しますが、落ち着くわけがない。この状態がしばらく続きます。

ふと、「そうちゃん、1人で寝たいの?」と聞くと、それまで泣くだけだったのに「うん」と返事がかえってきました。

ちょっと思い当たることが。下の子ちゃんに対して進めていたジーナ式というねんねトレーニングのこと。1日のスケジュールが5分刻みに細かく決まっていて、そのスケジュールのとおりに寝かせ、授乳し、遊ばせ、とやっているとリズムがついて、朝までぐっすり眠れるというもの。夜寝かせる時は1人で寝室に置き、もしうまく眠れず泣いても助けない。下の子ちゃんも、毎晩寝るときにたくさん泣いて、これ意味あんのかとこっちも辛かったけど、でも数ヶ月たつと上手に眠れるようになり朝まで起きなくなりました。

でも1歳過ぎて絵本を楽しめるようになってからは、兄弟そろって寝る前に一緒に絵本を読む時間を大事にしたいと思って、1人ではなく、上の子ちゃんと一緒に3人で寝転んで本を読み、あかりを消して、寝る、というスタイルにしていて、これはこれで、わりにうまくいっていました。

1人で寝たいの?と聞き「うん」といったとき、彼は、あれだけがんばって練習したんだから1人で寝られることがおりこうなことなんだ、と思っているのではないかとなんとなく感じました。そこでそれをそのまま話してみることに。

「そうちゃん、1人で寝たいの?」
「うん」
「そっか、赤ちゃんの時いっぱい泣いて練習したもんな」
「うん」
「いっぱい練習したもんな」
「うん」
「1人で寝られておりこうだもんね」
「うん」
「練習したおかげで上手に寝られるもんね、えらいね」
「うん」
「そっかそっか、おりこうだね、ありがとうね」
「うん」

終始、めちゃくちゃ力強い「うん」。

そのあとは、なんか暑いね、エアコンつけよっか、といって一緒にエアコンをつけて(彼は各種リモコンの「ぴ」という音をこよなく愛す)、すずしくなったね、タイマーもしてあるから大丈夫だよ、などと話しているとだんだんまぶたが重たくなってくる様子が。

「そうちゃん、眠たくなったね、寝よう」
「うん」
「このおふとんがそうちゃんのおふとんだからね、このおっきいとこ全部使って寝ていいからね、おかあさん自分のお布団で寝るね」
「うん」
「おやすみ」

しばらくして、すー、すー、とかわいい寝息をたてはじめました。もう外は明るくなりはじめています。3時間くらいかかって、うんしか言わない1歳児と心が通じ合った気がしました。

こどもの感性を、あなどってはならない。

こどもは、しゃべれなくたって、ちゃんと覚えていて、ちゃんといろんなことを考えている。チンした冷凍食品を寄せ集めたようなお子様ランチはハンバーグとかポテトとか好きなものがたくさんのってても食べなかったり、引っ越すかもしれないみたいな大事な話を勝手に保育園の先生に話してたり(あえて言ってなかったのにばれてた)、辛いときに優しい言葉をかけてくれたりするたびに、あぁ子どもはなんでもわかってんだなぁすごいなぁ、と思うことがよくあったけれど。やはり、こどもをあなどってはいけないと心底思いました。

そして「魔の2歳」などと言われるイヤイヤ期は、子どもにとっても相当キツいんだろうなとも。大人以上にたくさんのことを感じ考えていて、伝えたい、わかってほしいと思うのに、言葉で自由に表現できないなんて、もし大人だったら発狂するかもしれない。

こんなやりとりの翌日、もう一度泣きました。同じように、ひとりで寝る練習がんばったもんね、でもひとりで寝るのがおりこうなんじゃなくて朝までぐっすり寝るために練習したんだよ、と話すとすぐに泣くのをやめて、眠りにつきました。その日が最後で、また朝まで眠るようになりました。1年経ったいまでも、毎日。

こどもは、大人が思っているよりもはるかにたくさんのことを、自分で考えて感じて記憶している。それを最大限リスペクトして大切に扱ってやりたい。そのことを心に刻むための夜泣きだったのかなと今は思います。

文章:平井咲子
(今からちょうど1年前のことですが、当時あまりに衝撃的だったのでiPhoneのメモに残していて、そのテキストを編集して記事にしました)

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