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数年前から当院を利用していただいている患者さんが、最近になって、腹痛と下血があり、病院で検査をされたとのこと。さらに精密検査を受けたほうが良いのではないかと医師に指導されたが、恐らくストレスが影響しているだろうと自己判断されて当院に来院。

心身条件反射療法(PCRT)で症状の原因を調べると、隣に座っている上司のストレスと他のストレスが絡んでいた。4-5回の治療で上司に対するストレス反応も消失し、症状もかなり改善された様子だった。

数日後に再来院し、以前ほどではないが下腹部の痛みがあるとのこと。調べてみると家のガスの工事のことが気がかりでストレス反応を示していた。さらに深くそのストレスになっている内容を深く検査するとその支払いが心配になっていたとのこと。

もう一つのストレスは、心の複雑な動きで、PCRTでいう「肯定的な意図」が関係していた。これも無意識的な心の動きで、病気や症状があることで、現実のストレスから逃れられるとう「逃避」が関係していた。これは、単に心が弱いとかの問題ではなく、誰もが経験する本能的な逃避現象だと私は思う。それが、たまたま身体症状につながっていたということで、そのこと自体に良いも悪いもなく、症状を改善するため、心を解放するために、まずは、その因果関係をただ、受け止めることが大切だ。

その後、そのような隠れた心の動きを認識して調整することで腹痛はほとんど消失した。ストレスの内容は話したくないこともあるのでこちらからお聞きすることはあまりないが、この患者さんは信頼してくださっているので、自分から自分の感情を話してくださる。

自分のことを「もう少し立派な人間かと思っていましたが、とんだ勘違いでした。」などと笑いながら検査を受けてくださるので検査治療を進めやすい。このように心を外に開放した分、こころとからだの関係は良くなり治りも早くなるだろう。

この患者さんに限らずに、誰にでも本当は子供のような本能的な感情が隠れているのに、理性のある大人は様々な理屈でその本質的感情をオブラートに包み込んで本質的な原因をわからなくしてしまう傾向になる。

自己の成長のために自分に厳しくなくてはならないが、時には誰にでもある子供のようなわがままな感情も自分なんだと大事にしてあげなくては身体が悲鳴をあげてしまう。

2006年2月14日(火) 記

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