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ずっと私の中に「エア モラハラ夫」が住んでいた話


先日、実に2年ぶりに仙台の夫の実家に帰省しました。

夫のご両親は体力もあり子ども好きでとてもアクティブ。朝5時頃に起き、子どもらとめいいっぱいお出かけしたり遊んだりしながら3食、本当に理想的な食事を手作りで用意してくれます。朝ごはんから4、5品の和食のおかずにご飯と味噌汁といった完璧な和食。本当にどこにそんな体力と気力があるのか…怠け者で料理の苦手な私としては本当に尊敬の念しかありません。

しかしこれは、つい最近まで感謝の反面、実は少し嫁としてプレッシャーでもありました。自分がここまでこなせないことに勝手にコンプレックスを感じていたのかもしれません。

が、今回の帰省で初めてそんなコンプレックスやプレッシャーを全く感じなかったのです。お義母さんはいつも手際良くて美味しい料理を作るな、これは真似しよう、などポジティブなことしか浮かんでこなっかたのです。これは自分でもびっくり!

私は常日頃なるべく「人は人、自分は自分」と思うようにはしているのですが、結構料理に関してはまだ自分の中にコンプレックス的なものがあったんだな…とむしろ改めて気がついた次第です。

しかしそもそもウチの夫は全く料理にうるさくなく(こんなに完璧な母のもとで育ったのに!)私がコンプレックスに思う必要など全くないはずなのですが。。。

では何がいったい私自身を縛っていたのか?


1つは日本の献立文化かな、と。

日本の学校には給食や家庭科の授業があり「食育」を学びます。確かに素晴らしいものではありますが、ただ日本の食育はかなり細かい。(夏休みの長男アユの「昼食を作ろう」課題がかなり細かくてヘルプする親の方がストレスだった)食べる側は最高にハッピーですが、作る側にはややプレッシャーをかけてくる内容でもあります…。

そして未だ「料理は女性がするもの」的な考えが根強いからでしょうか。

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女性の家事育児の負担が社会問題になっている反面、日本社会やマスコミは女性が可愛くいることを求めている気がします。本屋に行くと「彼に喜ばれる、褒められる料理」的なタイトルの本を目にしたり、料理上手な女性タレントがもてはやされたりしているのを見ると、無意識に私たちは「女性は可愛くて愛嬌があって、高学歴、高収入でも自分は決して完璧でないと言う雰囲気を醸し出していて、そんでもって当然料理ができた方がいい」といった刷り込みがされているのかもしれません。てか、日本女性もちょっとそれに乗せられすぎでないんかい?と思っている私は、本当に「旦那さん外国人でしょ?」とめちゃ聞かれるんですが、日本男性、一体どんだけ保守的なんですか。。。?(汗)

ちょっと話それましたが…

とにかく、そんな日本を一度出てドイツで生活したことは、確実に私の料理に対する考え方にも影響を与えました。

やはりドイツでの衝撃すぎる「カルテスエッセン(Kaltes Essen=火を通さない料理のこと。ハムやチーズ、黒パン、野菜だけの食事。ドイツ人はこのカルテスエッセンを夕食に食べる人が多い。)」という世界を知ってしまったから…でしょうか。

*ちなみにドイツの子供の弁当なんて本当にこんなんですから!

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*ドイツの幼稚園のお弁当で、栄養バランスを考えたお母さんの中には、野菜のカットしたものをナイロン袋やタッパーに入れて子供に持たせたりしていましたが、皮もむいてない、ただザクっと切ったもの!でした。日本の保育園で移動動物園の際に動物さんの餌用にとカットしていた野菜の方がよっぽど丁寧だったほど。。。

しかし実は、このカルテスエッセン以上に、私のマインドに影響を与えたもの、それはドイツの女性の自信の持ちっぷりを目の当たりにしたことが一番かもしれません。

彼女たちは「人は人、自分は自分。料理好きなら作ればいいし、苦手なら無理することもない」と言う考えが本当に強いのです。(まあ、ヨーロッパ人は日々の料理自体が質素なので、簡単料理に対し、罪悪感を持つ人なんてまずいないと思うのですが…。)彼女たちの自分に正直すぎる姿を見ていると「なぜ私はあんなことに囚われていたのか?」と人の目を気にしたり自分を縛ることがバカらしく思えてきたのかもしれません。

私に影響を与えた強烈なもの…それは冷たい食事、「Kaltes Essen(カルテスエッセン)」ではなくそれより強烈な…つまり「ドイツ女性」と言う存在だったとはな(笑)

とこれを書きながら改めて思った次第です。



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