平安S オークス 振り返り


平安S

最終印

TB・展開

TBはフラットっぽいが若干内の方が有利かなというところ。外差しが来ないわけではないので、ペース依存なところが大きかった。
昨年平安Sよりも時計の出方が全く異なるので、改修後から路盤が踏み固まってきてようやく本来のスピードトラックらしい京都ダートになってきたのかなと思う。
3F35.7-37.0、4F48.5-49.7と遅くはない(むしろ序盤だけならそこそこ速い)のだが、中盤早めに緩んだことで先行馬に息が入り、ラスト3Fまでラップが上がらなかったため、その序盤のぶんも帳消しにして前の馬が余力十分な展開になった。しかも3番手以降が少し離れた隊列になっていたうえに後方差し勢で上がり最速が36.4では差がなかなか詰まらない。こうなると気分良く進めた前2頭が残るのは当然である。

ミトノオー

発馬もよく枠を生かして先手を主張し切った。
メイショウフンジンが外だったのもあり無理しなかったことで完全に2頭のシメシメ展開に。ギリギリまでペースを緩め、後続を引きつけて外を回らせたのもTBと展開的には完璧だった。
古馬になって改めて力をつけてるのは間違いなさそうだが、今回もマーチS同様いろいろ噛み合った結果に思える。

ハピ

ようやく待望の賞金加算。
崩れなく走っており本当に立派である。
中団内で脚を溜めているのでTBには合った競馬ではあるが、直線で上手に外に持ち出されて上がり最速で追い込んでおり、内容的には1番強かった。
またG1戦線に戻ってくることを楽しみにしたい。

メイショウフンジン

内のミトノオーが速かったため無理せず番手。
ペースを上げさせ過ぎないよう丁寧に回ってきた。
ミトノオーが後半引きつけたことで持ち味の競り合いの強さが生きる展開となり、ハピには上がりの速さで抵抗できなかったが、内から抜け出しを狙った4着カフジオクタゴンを抜かせなかった。
外を少し回ったとはいえ、持ち味が生かせたし前残り展開には恵まれた結果。内容だけ見れば0.1差ならミトノオーとはコース取りの差で互角と言ってもいいか。

カフジオクタゴン・メイプルリッジ

4角をよく見ると、ミトノオーが引き付ける逃げによってスレイマンとグロリアムンディが外を回らされたので、先頭4頭とこの2頭とさらに後ろでくっきりグループが分かれたシーンがあった。つまり、左右に馬がいなくて自由に直線へ向けてコース取りできるホットゾーンで勝負どころを進められた。
カフジオクタゴンは内ラチのサンデーファンデーが垂れたことでスペースが空いた内にこだわることができてそこを突いたがメイショウフンジンを交わせず。内前が恵まれる展開とTBに乗っかっても決め手不足で善戦止まりとみると、やっぱり今後もなかなか買えないかなあと思っている。メイプルリッジは直線被されたくないので外を選択。道中は比較的ロスなく回ったほうではあったが、多少コース取り、外を回ったぶんとみれば少なくともカフジオクタゴンよりは評価できる。見送り評価だったが、外に出せる立ち回りができればある程度は通用するかもしれない。

スレイマン・グロリアムンディ

終始外目だったことと、引き付けられたことによって4角はさらに外を回らされたぶんの負けなので、多少言い訳は可能である。スレイマンが重賞で好走するには内でロスのない立ち回りが必要そう。
グロリアムンディは近走のだらしなさよりは頑張れてはいたが、相手弱化ならもっと格好はつけて欲しかった。(やっぱり去年主力と言われてた地方G1組が弱いのかも)

ハギノアレグリアス

いつもより前進気勢がイマイチで中団からとなった。
4角で追い上げる構えは見せたが、全体的に外を少し回っていたのと、そもそも外の進路を作ろうとしたところでブロックされ、スムーズに外に出す競馬が叶わなかった。やむを得ず馬群の中を通す競馬を選択したが、展開も向かず目立って追い込めなかった。
外目の横綱競馬ができなかったのもあるが、ハピやミッキーヌチバナに差されているのを見るとちょっと負けすぎという感もあり、やっぱりピークが過ぎているのかな?という感想は抱いている。

ミッキーヌチバナ

今回のレースでは中団後方大外ぶん回しでは流石に厳しかったが、よく追い込んだと言える内容で、徐々に力はつけている。
そろそろ侮れない存在になってきたか?

オークス

最終印

TB・展開

TBはフラットで力勝負になりやすい馬場だった。 
3F 34.7-35.1、5F 57.7-61.4と字面では超ハイペースなのだが、大逃げ2頭のせいなので、3番手以降を実質の隊列としてみるとそこまで速くない流れだったと推察している。(59.6前後のはず)離れた3.4番手と5番手でさらに少し離れており、そこで60.6程度。そう見ると全体的にはややスロー寄りか。1400~1800においてラップが落ちたのは大逃げ2頭が垂れてきたからだと思われるが、後続も若干緩んだようには思えたので、そこもスロー寄りと思った要素。
そうはいっても最後は力比べ。ほぼ着順通りの評価に落ち着きそう。

チェルヴィニア

見事な巻き返しと復活劇。
この馬としては初めて差す競馬で、中団外から直線は早々に進路を確保してあとは伸びるだけ、という競馬ができた。
脚質転換の上手さも含めて、このあたりはさすがルメール騎手である。
この結果により、牝馬路線はアスコリピチェーノ、ステレンボッシュ、チェルヴィニアの3強と言っていいだろう。

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ステレンボッシュ

内容的にはほぼチェルヴィニアと互角。騎手が変われど結果を出し続けている点は、この馬の気性の良さとパフォーマンスの安定感の高さという面もあるだろう。
個人的には、距離ロスを抑えたかったのだろうとはいえ、馬群で包まれるような位置取りで競馬をしているのを見て「大丈夫?これ?」と思っていたのだが、そんなストレスのかかる競馬でも力を出せたのは今後を考えれば収穫か。
(1角前に落鉄してたらしいが、落鉄がどこまで能力に影響するかはわからないのでここでは触れない)

ライトバック

直線前半でちょっと詰まって追い出しが遅れたところはあるものの、それでも300m近くはスパートさせられていたし、前2頭に迫れそうな脚でもなかったので、ほぼ力負けと言っていいだろう。
気性的な危うさを差す競馬で改善できたっぽいのは間違いなさそうではあるので、今後に期待。

クイーンズウォーク

大逃げ2頭と離れた番手2頭の離れた外目5番手を確保。懸念材料の包まれる競馬を避けて完璧な競馬ができたものの、力及ばず。
正直、道中を見てて「これ川田勝つんじゃないの?」と思ったのだが、単純に力不足だったと思われる。

ランスオブクイーン

1勝馬としては素晴らしい走りを見せてくれたが、逃げ馬2頭の離れた番手のゴールデンポジションにいたのが大きかった。さらに、途中で同じ位置にいたタガノエルピーダが引いたため、完全にポツンの3番手になったのが展開的に味方したのも事実である。
よって、オークス5着というだけで過大評価は禁物な内容ではあるが、条件戦の勝ち上がり方次第では秋も警戒すべき馬になる可能性は秘める。

スウィープフィート

後方ポツンで気分良く進め、徐々に進出。直線もあとは伸びるだけという進路だったが、そこまで目立った脚は出せず、差を詰めきれなかった。
これでライトバックには3戦3敗。勝負付けが済んでしまっている感もある。
ただ距離が長かった感も否めないので、まずは秋のローズSあたりで改めて頑張ってもらいたい。

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