宝塚記念 振り返り


最終印

TB・展開

土日の降雨により馬場が悪化。キックバックで泥が跳ねるレベル。朝時点ではギリギリ重という含水率で回復の見込みがあるか?と思われたが、結局降り止まない雨により回復は叶わなかった。
時計水準こそ極端に遅くはなかったが、他の芝レースを見ても道悪適正も必要な馬場状態であった。また、そんな芝状態のため外を回らないとキックバックの影響や傷みまくった芝で全く伸びず、真ん中ですら伸びるか怪しいというくらいの状態。開催末期の新潟並みに外へ求めなければならなかった。ロスなく乗るメリットが全くなかった。
つまり、能力よりも進路と道悪の両方を満たさないと好走は厳しいくらいの極端なバイアスであり、非常に特殊な状態(しかも時計がめちゃくちゃかかるわけでもない)。
年に数回あるかないかの出現頻度であるため、ほぼ参考外とみなしても構わないと思われる。
3F 35.6-34.5、5F 61.0-58.1とスローの流れで典型的な4Fロンスパ勝負。
これでも大外一気2頭が来るくらい極端な馬場だったというほかないと思う。また、掲示板5頭は全て3.4角大外である。先ほども書いたが、このレースは特殊すぎて再現性がなく、ノーカン扱いにした方が無難。

ブローザホーン

後方外から終始大外を回っての直線一気。
極端に外のTBで大外枠、トップスピードが問われにくい道悪馬場が味方し、スローとはいえ馬場を苦にせず上がり最速34.0を叩き出し素晴らしい追い込みだった。
このレースについて書けるのはこれだけ。
では秋以降も活躍できるだけの馬か?となると話は変わる。
現状、追走力、加速力、機動力、特にトップスピードにおいて中距離G1では物足りない、というのが戦前の評価。
今回は何もかもが向いてこの馬の短所がほぼ打ち消されたが、秋の東京(天皇賞秋、JC)はほぼ確実にトップスピードが求められ、この馬のキャラとしては不利でしかない。有馬記念もコーナーで上がれず立ち遅れる図が想像できるので、これもまた手放しに勝ち負けできるとは思い難い。
となると雨が味方して欲しいところではあるが、このレースで道悪巧者ぶりが知れ渡ってしまったので確実に妙味がなくなる。
よって、今後最も買いづらくなる立場に収まってしまった感が強い。

ソールオリエンス

ブローザホーン同様大外から追い込んでのもので、道悪適正とTBが味方した。仕掛けそのものはブローザホーンに遅れていたが、捲って失敗した大阪杯からか、ギリギリまで待って自分の競馬に徹した節がある。意図していたかたまたまかは知らないが、この立ち回りが地味にドウデュースを内に閉じ込める結果となり、トドメを刺したように思える。皐月賞以降恵まれない競馬が続いていただけに、ようやく自分に向いた競馬ができたと言える。
ただ、本当にこの馬は好走のストライクゾーンが狭い。よほど差しに展開やTBが向かないといけないし、これだけお膳立てされて勝ちきれなかったのは痛い。
次に馬券になれるのはいつになることだろうか…。

ベラジオオペラ・プラダリア

スローペースで前にいて大外を選べた2頭。
今回の内容だけを見ると、1.2着よりも見劣りする。

ローシャムパーク

序盤かかり気味で、途中からまくり気味に進出し大外を回せたが、脚が残らなかった。
多少道悪の巧拙も出たか?

ドウデュース

後方から外に出そうとするそぶりは何度もあったが、内枠だったため外枠のブローザホーンにブロックされてそれが叶わず、好走パターンの外目追走ができなかった。スタートはゆっくり出させても二の脚で行きたがるクセがでて、最後方ポツンもできなかった。
というか前走のやり方を馬が踏襲したがるのかなと思っている。(前走は出遅れて二の脚で馬群に取りつこうとしていた。ある意味賢いのだが)
ブローザホーンが進出するタイミングで外に出すチャンスはあったが、動かなかったソールオリエンスが次の壁となり、外を回す選択肢を消されてしまった。鞍上が「外すぎるのもどうかと」と言っていたように、人気を背負うだけに大きく距離損のリスクと内を通すリスクを天秤にかけた結果、天皇賞秋キタサンブラックのように内でコーナーを回って直線すぐに外へ持ち出す戦法なら、と判断したのだろう。もしくは手応えがイマイチ悪くてそれしかできなかったか。
唯一内を通した馬の中ではそれなりに伸びて格好はついたものだが、仕掛け遅れと道悪適正の差も出たのだろうと推察する。(全く道悪がダメという感じでは無さそうだったが)
いずれにせよ、あまりにも特殊馬場で再現性のないレースであったため、ジャスティンパレス含め不発でノーカンでいいと思う。
秋にどれだけ立て直せるかに注目。
いずれにせよ乗り難しくなっている感は否めず、最大出力を安定して発揮できないのは気がかりである。

ディープボンド・ルージュエヴァイユ

大外は回さなかったが、先行して外目へ持ち出してもこの着順止まりなので、評価は低い。
まあ、ノーカンでいいが。

ジャスティンパレス

道悪適正もそうだし、内枠で外に出す競馬が叶わなかった。全く伸びず。
基本はドウデュース同様ノーカン。
次走の持ち直しに期待。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?