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★映画鑑賞note: "Voyage of the Damned"

「さすらいの航海」"Voyage of the Damned" (1976)

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渋い一本を。船長役のマックス・フォン・シドーを始め、豪華キャスト競演のイギリス映画。ジョナサン・プライスの映画デビュー作とのことで、借りてみました。(ちなみにtop画はドイツ旅行時に撮った、ハンブルグの港です)

「第二次世界大戦前夜、ドイツ(ハンブルグ)から亡命するユダヤ人を乗せた客船SSセントルイス号が各国から受け入れを拒否されて大西洋上をさまよった実話の映画化」(Wikipediaより)とのことで、重い内容ながら、船に乗り合わせた人々の様々な人間ドラマが興味深く、すっかり見入ってしまいました。スリリングな展開やドラマチックな場面はありますが、大袈裟な演出にはならず、淡々と進むのはイギリス映画らしいです。冷静ながらも、ユダヤ人たち救うために身動きの取れない状況と戦い、乗客を守るために勇気ある決断を下す、毅然とした船長の姿がかっこいいです。

他にもユダヤ人少女とクルー(「時計じかけのオレンジ」のAlex役の人)のラブストーリーや、キューバへ亡命した娘と両親の再会など、グッとくるシーンも多く、ストーリーに引き込まれてしまいました。収容所から脱出して船に乗り込んだ(経緯は明らかにされていませんが)Aaronという青年に、クルーの青年が尋ねるシーンの:<"What's like to be a Jew in Germany? (ドイツでユダヤ人でいるというのはどんな感じ?)"ー "It is something constantly being reminded of. Being Jewish." (いつでもつきまとってくる。ユダヤ人であるということが)"> という台詞が印象的でした。ラストのテロップの乗客たちの後日談やホロコーストのことを思うと、なんともいたたまれない、複雑な気持ちになります。ただ、映画自体はそこまで重くはないので、オールスター出演のドラマとしても気軽に楽しめます。


こちらは映画本編(フル)の映像。

♦︎ジョナサン、台詞は少ないながら、結構重要なシーンで度々登場。⬆️のAaronと一緒に来ている教師(と説明しているけど収容所の仲間)の役で、坊主頭なので最初お坊さんかと。。。(笑)船長のマックス・フォン・シドーと絡むシーン(🕐2時間20分目あたり)もあって、初出演の割には結構いい役を演じています。おどおどした感じは役柄だと思いますが、若くて初々しい感じが新鮮でした☺️