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★映画鑑賞note:The Fisher King


「フィッシャーキング」"The Fisher King" (1991)

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"I like New York in June, How about you?"♫

めっちゃ王道ですが、テリー・ギリアム作品で「未来世紀ブラジル」「ドン・キホーテ」に次ぐ、お気に入りのひとつが「フィッシャー・キング」です。高校生の頃レンタルビデオで見た時から気に入ってたのですが、20年くらい振りに見て、改めていい映画だと実感しました。すっかり話の内容を忘れていたので、こんな奥のあるストーリーだったのか!と発見。。。(笑)でも、映像のインパクトは大きいもので、最初のDJのシーンとか、赤い騎士とかGrand Central駅でのワルツのシーン、リディアの餃子のシーンやCentral Parkでのラストシーンは、なんとなく覚えていました。

監督がハリウッドで作った映画で、脚本も別の人(リチャード・ラグラベネス)が書いているので、その分「ブラジル」「バロン」に比べて分かりやすいストーリーで、毒気も抑え気味ではありますが、ジャック&パリーの男の友情や、正反対なアンとリディアが次第に打ち解けていく様子が良くて、温かい気分になります。そこかしこのシーンも面白く「何これー」とケタケタ笑いながら楽しめる作品です。ハッピーエンドで、「皆幸せに暮らしましたとさ」で終わる、(大人向けの)お伽話のような物語。1990年代の映画ながら、どこかノスタルジックなニューヨークの景色も楽しめます。

とにかく俳優陣の演技が素晴らしくて、そこも魅力的です。(トム・ウェイツもちらっと出てきます)私のお気に入りは、ツィギーみたいな見た目で美人なのに、おっちょこちょいで変な女子、リディア(アマンダ・プラマー)。餃子を転がしてるのをパリーがうっとり眺めてるのが微笑ましいです☺︎ 無邪気で夢見がちな裏に、大きなトラウマと心の病気を抱えたパリーの役を、ロビン・ウィリアムズが絶妙に演じていて、心の混乱(フラッシュバック)を赤い騎士が表現していたり、大人になって見て改めて深いところまで理解できた気がしました。(レンタルビデオ店の設定やら、アンのファッション(ヒョウ柄のスパッツ)、肩パッド入りの白いスーツあたりには、時代を感じずにはいられませんが😅) 「ドン・キホーテ」にもあった、トランプを皮肉ったネタもちらっと。