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旅の思い出

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大好きな北欧&イギリスの旅行記
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文豪の足あとを巡る旅・その3 <逗子> 鏡花ゆかりの岩殿寺と文学碑を訪ねて

3日目は午前中いっぱい、バス&徒歩で逗子の街を巡りました。 逗子は、泉鏡花が胃腸病の療養のため、32〜36歳の間の4年間暮らした街で、『婦系図』『草迷宮』『春昼・春昼後刻』といった名作は、逗子時代に書かれています。 さすが日本有数の別荘地、古くから人々を惹きつけてきただけある、風光明媚な街でした。 とにかく海が碧くて綺麗で、白い波、柔らかな黄色の砂浜、青い空に、富士山が見えるのが素晴らしかったです。海沿いの景色など、泉鏡花作品に描かれたままの風景には感動でした。 <大

文豪の足あとを巡る旅・その2 <葉山・横須賀・逗子> 『芥川龍之介と美の世界』展&『草迷宮』の魔所

2日目は葉山・横須賀・逗子の海辺を巡りました。 とても良いお天気だったので、朝から夕方まで移り変わる太陽と海の景色を満喫。まだ2月だというのに、春のような陽気で、日差しが目に痛かったです。海面に、まっすぐの光を写して沈んでいく夕日が素敵でした。 (*少し長めの投稿ですので、区切って読んでいただければ幸いです。写真だけでも楽しんでいただけると思います。) <神奈川近代美術館・葉山> 朝は早めにチェックアウトして、神奈川県立近代美術館・葉山へ。美術館の建物を裏へ抜けて散策路を

文豪の足あとを巡る旅・その1<鎌倉・西御門サローネ>

2月中旬に、鎌倉と葉山・逗子を旅してきました。 今回の旅のテーマは、文学ゆかりの地めぐり。土地柄たくさんの作家・作品にちなむ場所がありますが、ここ数年興味がある白樺派や、泉鏡花ゆかりの地を中心に巡りました。 1. 西御門サローネ(旧・里見弴邸) 1日目は鎌倉へ。駅前から鶴岡八幡宮あたりまで続く雑踏を眺めながら、バスで10分ほど揺られて、大学前のバス停で下車。そこから山の方へ10分弱歩いて、西御門サローネという、大正〜昭和初期建築のお屋敷へ。こちらは白樺派の里見弴の旧邸で、建

大正モダンめぐり in 大阪<阿波座&中之島>

話は前後しますが、前回の旅行記に書いた、城崎温泉へ出発する前に、半日大阪の街をぶらぶらしました。 まずは前から気になってた、阿波座駅近くのクラブコスメチックス文化資料室に伺い、その後、中之島の明治・大正レトロ建築めぐりをしました。 ♣︎クラブコスメチックス文化資料室<阿波座> 1903年(明治36年)創業の老舗、クラブコスメチックスさん。(→沿革) 私にはマリー・クヮントの親会社のイメージが強いですが、明治〜昭和初期にかけて、有名な「クラブ洗粉」や「美身クリーム」「ホルモ

湯島詣

大晦日ですが、2023年旅の振り返り、まだ(笑)続きます。 もうしばらくお付き合いくださいませ。 10月に東京へ行きました。 1泊2日で、美術館巡り(東京国立近代美術館、日本民藝館、アーティゾン美術館、東京ステーションギャラリー)に、コロナ以来久々に会う友人と渋谷のFuglen Coffeeでお茶&ライヴ鑑賞(Nick Lowe @ Billboard Live Tokyo)と、なかなか充実した旅になりました。 11月には昨年の3級に引き続き、美術検定2級を受けることにし

城崎にて・後編♨️

外湯は朝7時オープンなので、早起きして朝風呂へ。日の出直後で、まだうっすら月が見える、ほの白い空でした。 旅館からほど近くの「鴻の湯」は日本庭園が望める露天風呂で、静かでとても気持ちよかったです😊 冷えた身体が一気にあったまって、浸かりながら思わずウトウト。。。 出た後もぼんやりしていて、適当に浴衣の前を合わせて帯を結んで、さあ帰ろうとしたら、「裾引きずってるよ」と地元の人っぽいおばあちゃんが、わざわざ着付け直してくれました💦 (しかもお風呂入る前で裸だったのに) そのまま

城崎にて・前編♨️

今年はたくさん本を読んだ1年でしたが、特に泉鏡花と志賀直哉にはまって、旅行も自ずとゆかりの場所へ。。。 奈良の旧居、我孫子の白樺文学館に続いて、「山手線の電車に跳飛ばされて怪我をした」その後養生に、1人で出かけた、という但馬の城崎温泉へ行ってきました。(『城崎にて』だけでなく、『暗夜行路』にも登場) 12月半ばの暖かい午後、大阪駅から特急こうのとりに乗り、城崎温泉へ。他線の遅れの影響で、本来2時間40分ほどのところ、3時間かかって到着。車窓から見えるかと思った玄武洞は、すっ

十和田湖

2023年もすっかり年末ですが、秋以降もいろいろな場所へ出かけたので、思い出に残る場所の写真をいくつか投稿していきます。(SNSに投稿したものを再構成しています) まずは9月の青森旅行より、お気に入りの十和田湖の写真です。 深いブルーグリーンの湖水はとても綺麗で、近くで見ると澄んでいて、思わず入ってみたくなるほど。 遊覧船で約50分かけて、湖上をゆったりと巡りました。船は二つの半島に沿って進み、対岸に広がる森や火山活動によって出来た柱状節理、岩が剥き出しになっているところ

🌼南砺市へ 〜自然と民藝と土徳に触れる旅〜 ②福光編(後編)

<光徳寺へ> 田んぼ沿いの道を電動自転車でぐんぐんと進んで(風が強くて結構漕ぎました)、光徳寺には15〜20分ほどで到着。民藝館が併設されている、民藝の聖地として有名なお寺です。民藝運動に傾倒していた、こちらの住職さんと交流があった関係で、棟方一家が福光に疎開することになったのだそうです。 前回は時間がなくて前を通り過ぎただけだったので、今回初めて伺いました。階段を登って山門をくぐり、玄関を入ると、受付の方が声を掛けてくださり、館内について丁寧に説明していただきました。お

🌼南砺市へ 〜自然と民藝と土徳に触れる旅〜 ②福光編(前編)

<福光へ> ウグイスの声が聴こえる書院造の素敵なお部屋で、朝食後の時間をまったりと過ごした後(去りがたし。。。)、チェックアウト。旅館から歩いて10分ほどのところにある福光美術館へ行きました。 <福光美術館> ちょうど日の出屋製菓の創業者のコレクション展「俳句と民藝と」が開催されていて、志功さんはじめ交流のあった民藝の作家の作品を色々と見ることができました。(今月号の『目の眼』の棟方特集にも掲載されているので、興味ある方はチェックしてみてください) この展覧会はもう終

🌼南砺市へ 〜自然と民藝と土徳に触れる旅〜 ①城端編

今年のGWは、日常のバタバタから逃避すべく、富山県南砺市へリフレッシュ旅行へ行ってきました。↓の投稿でも富山旅に出かけているので、今年すでに2回目ですが、雄大な自然や風土・豊かな文化・美味しい食べ物はもちろん、古き良きものと新しいものが共存しているところや、街が美しく保たれているところも素敵で、富山はすっかりお気に入りの県のひとつです😊 今回出かけた南砺市(城端・福光)は、金沢や岐阜(白川村・飛騨市)と隣り合わせになっている南西部の街で、富山市へ出るほうが時間がかかるという

東京ミュージアム巡り①:Mary Quant展

先日東京へ、ミュージアムを3つ巡る、日帰りの旅へ行ってきました。 Mary Quantのドキュメンタリー『マリー・クワント スウィンギング・ロンドンの伝説』を映画館で見て、若い頃のMary熱が再燃&新しく知ることも多かったので、それを確かめたくて、Bunkamuraで開催中のMary Quant展へ。全国巡回はないとのことで、思い切って新幹線(bullet train)で、弾丸旅行でした。 書く順番は前後しますが、日本民藝館を訪れたあと、土曜日の午後2時頃に行ったのですが、人

東京ミュージアム巡り②:日本民藝館

東京旅では、Mary Quant展に行く前に、念願の日本民藝館へ行ってきました。1936年創立の、日本で最初に設立された民藝館で、東大駒場キャンパスの近く、駒場公園の一角にあります。閑静な住宅街の中に、白壁の日本建築の大きな建物が突如現れる感じでした。 https://mingeikan.or.jp/ ちょうど毎年恒例の日本民藝館展が開催中で、日本中の手仕事の品の新作が一同に会していて、見応えありました。ほぼ売約済みでしたが、色々な現代の手仕事を見て勉強になったし、中でも

東京ミュージアム巡り③:国立近代美術館コレクション展 と 美術検定

先月受験した、美術検定の結果が今週発表になりました。無事合格してホッとしています😊 3級なので、出題範囲はベーシックな美術史でした。テキストを読んで理解したと思っても、人名・地名など、なかなか記憶に留めておくのは難しく、直前までテキストとにらめっこ→記憶が薄れないうちに受験しました。(オンライン受験だからできることですね)それでも最後の5問の活用問題(作品を見て、その特徴や画法などを正確に捉えた文章を選ぶ問題。歴史問題は1問1点に対し、こちらは3点)は、2つも落としてしまい