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バリウム奮闘記(後)

寄せては返す波のようにやってくる便意に耐えながら病院に行き、外来で状況を話すと
まずはレントゲンを撮ることに。
先生と一緒に見ると、思ってたよりまあまあ多めのバリウムが腸に白く写っていた。

あいつがアスホールから顔を出しているので痛くていきめないんですと助けを乞うわたし。

どれどれと先生。尻を差し出すわたし。

これは痛いやろなあ、痛み止め塗っといてあげるからな、浣腸して頑張って出して帰りや、もうこんなんかわいそうや、と優しい先生。

やはり浣腸か…

便秘で浣腸されたことがある人ならわかると思うが、強烈に腹が痛くなり、我慢できないほどの便意。
解放したアスホールから滝のような勢いで出てくるそれには、何物も抗うことはできないのだ。
そしてその時シンプルに肛門が死ぬ。

それが今きたら。
絶叫するかも。涙とか鼻水も出るかも。
とかなんかそんな感じを想定して
そっとハンカチを取り出した。

浣腸してくれた看護師さんは、がんばってね!とウインクアンドスマイルで言い残してトイレの個室を去っていった。

静けさの中、絶叫に備えてハンカチを咥え
急激に訪れるはずの腹痛に備えた。







こないな。

わたしの知ってる浣腸と違うのか?

耐えきれなくなるやつじゃないのかな。


しばらく待って試しにちょっとだけいきむと、尻周りに
\自分いけそうです!/
という気配が漂っていた。
痛み止めのせいか、アスホールから顔を出したあいつは痛くない。
そこからはもう時間とうんちとの戦い。
体感ピンポン球くらいのやつを30分かけて5,6個生み出した頃、看護師さんが様子を見にきた。

どうー?

出ましたー!

オッケーオッケー!

でもあの…なんか流れないやつがいて…

え?

何度レバーを引いても、バリウムであろう白い塊が便器の奥にしぶとく残っているのだ。
そのままでいいよと言われたので、バリウムうんちを残して戦いは幕を閉じた。

直後はスッキリ!!とはいかず、まだ出そうな残便感はあったけど、その後は問題なく排便できてます。
どういうわけかあいつもおとなしくしている。

お医者さんからは、来年からは胃カメラ検査にした方がいいねと言われたので
ハイそのつもりです!!ありがとうございました!!といい返事をしました。

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