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1/26 経験値を荒稼ぎした日

 また二日くらい空いてしまった。本当は毎日更新したいが、気分が乗らなかったり気が塞ぎ込んだりを繰り返してしまって文字を書く余裕がない。もっとうまく情緒のコントロールができればなー。

 二日前、課題の資料集めの一環として神保町に足を運んだ。それまでの乗り換えで新橋駅の周辺も探索してみたのだが、なんかすごい。路地に入ると通常壁であるところに屋台が埋め込まれており、路傍の正面から提灯と客席がちらと見えた瞬間「え、なに?」と呆然としてしまった。置いている注文はおでんと熱燗あたりくらいだったのでギリ日本だったが、自分の知らない国に来てしまったと思うくらいにはエキゾチックな体験だった。私がまったくの出不精なのが原因だけどね。外に出る機会をもっと増やしたい。けど、体力と気力は想像よりも重量があって、ぱっと運び出すことが適わない。
 無事に神保町に辿り着いて散策し、目当ての資料を手に入れたところで時刻はお昼過ぎ。この日は寒波の影響で日中でも気温は0℃を上回らない。おまけに寒風のせいで触るものすべてが凍てついていた。神保町は本棚が道端に剥き出しになっている通路があるのが街並みの特徴だが、書籍を掴む時は手袋越しでないと、「いてつくはどう」によってざらざらとした凍結感が手指から体内にまで沁み込み危うくバフを搔き消されるところだった。
 本日の目標を達成したので、暖を取るべくさっさと喫茶店に避難しようと入りやすそうなお店を探す。神保町駅の近くは様々な喫茶店があった。なかには書店に休憩スペースを設けている場所も多かった。雰囲気良いな。また、書店を巡っている最中は定年退職を果たしたであろう老人らがうろちょろしている様子しか見なかったが、この時間になると肩の出っ張った背広姿ばかりで、みな腹を空かせて本には目もくれていない。とにかく行きつけか、それとも新たな飯屋を探し求めているようだ。東京は渋谷とか原宿の人々のイメージが強いので、こういう側面もあるのかと再び世界の広さ、細やかさを実感した。
 外の装飾が少し南国感漂う喫茶店に入る。締め切られた室内に入った瞬間、首元に舞い込む乾いた熱は一抹の不快感がある。しかし、これでしか外皮を温めることはできないのでやむを得ない。取り敢えずスタッフに促された席に座り、金欠ニート学生はブラックコーヒーだけいただいて店内の雰囲気を味わうことにした。

「さぼうる」一号店。二号店は列ができてた

 コーヒーカップを手のひらで包むと、陶器の熱が皮膚に滲む。バカ熱い。そこでお冷。ひとたびグラスを掴めば冷たい。アッツアツのコーヒーを左手に、右手にお冷。このあべこべな状況から繰り出されるのが「メドローア」なんだな。ドラクエが脳内を引きずっている。
 この店のブレンドコーヒーは、フルーティー、なのか? これまでコーヒーはカフェイン摂取方法のひとつとしか捉えていなかったため、値段ばかりで味に頓着したことがなかった。だけど、今回は確かに果実的な甘みが鼻の奥で香った、気がする。なんとなくだが「このコーヒーは美味しいんだな」と思えるようになったみたいだ。


 この後、帰りに地元にあるスナックバーみたいな居酒屋で一人飲みをちょっとして帰った。濃密すぎる一日だったな。やっぱ酒だね! 以上!

おまけ。「こういう貼り紙に繁体字が書かれているの珍し~」とついつい撮った写真。意味やニュアンスは同じなのに、説明の仕方によって文章量と語彙は変わってくるんだな。

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