ポケモンGOとサードプレイス

またいる。

マンションの駐輪場の隅に、老若男女4-5人が集まって顔を寄せ合っている。

まだ朝の7時だというのに。

朝だけではない。昨日の帰宅時19時くらいにも、薄暗がりの中、メンツは違うが4-5人の男女がかたまって立っていた。

怖い。

そして何やらスマホの画面に指を滑らせて、、はい、ポケモンGOです。

すっかり口の端に乗らなくなったが、うちのマンションの駐輪場はポケスポットになっているらしく、常に人がいる状態だ。

この前はハイヤーが停まっていて、後部座席に座っているVIP然とした老紳士が熱心にスマホに指を走らせていた。貴族の遊び方か。

ぱっと見不気味だし、正直迷惑だなあと思っていたが、今朝ふと気づいた。

ポケモンGOによってうちのマンションの駐輪場がサードプレイス化してる、と。

よく見る常連さんたちが、ポケモンGOをしながら世間話をしている。そこに遅れてきた常連さんが加わり、会話に加わりつつ指を滑らす。

やってることはスマホゲームだが、そこで行われているアクティビティはサードプレイスのそれだ。

年代や職業や性別関係なく、ポケモンGOというゲームを通じてゆるやかなコミュニティができている。

スターバックスはサードプレイスとかいうが、そこでコミュニケーションが生まれてるのを見たことがない。それに比べてポケスポットは見事にサードプレイス化していた。

昔の床屋みたいなものだ。

そう考えると物理的な空間がなくても、データの作り方(この場合はゲーム)次第でサードプレイスはつくれるということだ。

必要なのは場じゃなくて動機。

実はゲームをつくることが、人生100年時代の孤独抑止につながる戦略になるかもしれないと思った朝だった。

まあ今だにその光景には慣れないんだけど。


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