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奈良県高校サッカー新人大会2回戦~ナラディーア会場~

2024年1月14日(日)は先週に引き続き、奈良県高校サッカー新人大会を観戦して来ました。
この日はナラディーア会場で開催された2回戦で対戦カードが、一条vs天理と山辺vs生駒の2試合と、すべて県1部リーグ所属の4校のだったので、これは見逃せないという思いで観戦先にナラディーア会場を選びました。



◼️一条高校 vs 天理高校


今年こそ一条の王者復活があるのか?という意味でも、新チームの力量を見るべく天理との2回戦を観戦したいと思いました。

緑:一条高校/白:天理高校

天理は一条エリア内に蹴り込んで走るサッカーで、この勢いに乗り序盤はこれを一条が受けた形となってしまい、上手くクリアでゲームを切れず天理に押し込まれるシーンが増え、特に自陣右サイドの守備対応でSB6番がプレスに出ていくと剥がされ、自重するとドリブルで仕掛けられるなど後手を踏み守備に迷いが垣間見られました。

そのせいか一条SH18番も守備面でカバーの意識が強くなっているのか、下がり気味のポジショニングのため、一条ボール保持時の高さが不足してしまい、右サイドの攻撃に迫力が欠けてしまう悪循環だったと思います。

しかし、それでも先制したのは一条で天理の攻撃スピードに馴れ始めた事から、徐々に一条は左サイドから押し込める様になると、18分に天理ゴール前の競り合いから天理のクリアミスっぽい浮き球を、一条がボール回収してゴールに押し込み早い時間帯で先制する事ができました!

一条はWボランチの14番が中盤の起点となり高さの調整でボールを運んだり、サイドへ展開する役目で、もう片方の10番は幅の調整をしながらCBとSBの間に入り前進の構造を作ってはいたけど、DFラインの選手がフリーでも前線へ直ぐに蹴ってましまうシーンが多くて、せっかくWボランチが良いポジショニングを取っているにも関わらず中盤をあまり使えず、一条の特徴であるポジショナルな攻撃的なサッカーは、1試合通じて程遠く攻撃にさほど怖さを感じなかった印象でした。

それでハーフタイムに下記の様なポストを投稿していました。

一条は前線に蹴ったロングボールが天理DFラインの裏へ上手く入って押し込める時は良かったのですが、単調な攻撃ばかりだと再現性は少なくチャンスは何度も訪れないので、ボール循環しながら天理の守備ブロックをスライドさせて、中盤を経由して一気に逆サイドへ展開して加速するシーンを作って欲しかったな…と思いました。

反対に天理の方は粗さが目立つものの一発期待感溢れるプレーが時折り出る選手が数人いたので、この日の守備が不安定な一条の右サイド裏を狙うなら、例えばSB10番が落ちてくるFW4番に縦パスを入れて、そこからSH8番とのワンツーで一条SB6番を引っ張り出しCB4番との選手間を走り抜け出せると、天理はニアに走るFW35番と、逆サイドからファーへ走るSH29番をターゲットにクロスを上げると面白かったし、より確実に一条の守備を崩せたと思います。

サッカーボードで作図できれば良かったんだけど時間なくて省略させて貰いました。ごめんなさい。

でも、どちらかいうと天理は右サイドのSH29番を起点に攻め込もうとしていた様に見えました。
だけど、あんまり右サイドからの攻撃が効果的には見えなかったので勿体なく見えたし、SH29番はサイドで起点作るよりフィニッシュでゴール前へ入ってくる方が結果を出せる選手だと思いました。

その結果、ゲームは後半も膠着状態が続きスコアが動かないまま、辛くも一条が粘り抜き勝って準々決勝進出を決めました!

そして、試合終了後のポスト投稿はこれでした!

この日の一条は雑なプレーが多かったので準々決勝の橿原戦では、もう少しプレー精度を上げてきてほしいな…と思いました。

◼️山辺高校 vs 生駒高校


この試合は昨季県リーグ2位の山辺と選手権県大会2位の生駒の2位対決で、どっちの2位が奈良育英に次いでの事実上2位なのか?という個人的な興味があった対戦カードとなりました。
結果的にはGKの実力差が勝負の分けれ目となりました。
生駒の監督は元JリーガGKなので毎年GKを育成して上手い選手に仕上げて来るな!…ていう印象がとても強いです。


白:山辺高校/橙:生駒高校

前半スタートはこの様な布陣でしたが、山辺はボール保持時にSB8番が高いポジショニングを取るため変則3バックだったと思います。

序盤は生駒のハイプレス&ハイラインにより山辺DFラインを窒息させる勢いでプレッシングを仕掛けてきました。
そして開始早々8分に山辺GKのパントキックする時に、生駒がプレッシングを仕掛けてブロックしたボールが、そのまま山辺ゴールに転がり込んで先制しました。

生駒は早々と得点できたことでスタミナ温存のためハイプレスをやめると思ったのですが、山辺の選手がハイプレスに手を焼いていたのもあり、継続してプレッシングを仕掛けたまま生駒の主導権で序盤はゲームが進みました。

これが結果的に生駒にとってはボディブローの様にスタミナを奪われ山辺の反撃を食らう羽目になりました。

この日の山辺Wボランチ5番と6番はとても機能しており、6番は両サイド目一杯に幅の調整をする運動量でCBとSBの間に入りパスを受けて、5番は高さの調整と逆サイドへのロングフィードを駆使するなど、山辺のボール循環に貢献して生駒のハイプレスを掻い潜り、スタミナを奪った殊勲者達でもありました。

そして、山辺は20分過ぎ辺りから高いポジショニングを取るSB8番のドリブルや、オーバーラップから裏への抜け出しなど、左サイドからの攻撃で生駒ゴール前に迫りました。

ショートカウンター気味から生駒DF裏へ通したグランダーのクロスを、中央から選手間を抜け出して決めたゴールは美しかったけど、これは惜しくもオフサイド判定でノーゴールとなりました。

それでも遂に37分に山辺8番の裏へのドリブル突破で生駒DF陣を翻弄して崩し、ゴールライン深くで上げた優しいクロスをファー側どフリーで待ち構える選手へ届け、このボールをヘディングシュートで確実にゴール決めて同点に追いつきました!

前半のうちに同点に追いついて俄然勢いが出た山辺と、前半終盤は完全に失速した生駒が対照的なゲーム状況の中で、両校ハーフタイムでどういう対策を練って後半を迎えるのか興味深かったです。

白:山辺高校/橙:生駒高校

生駒は22番に代えて79番を投入して78番と77番をポジション入れ替えるなど、生駒の前線メンバーをリフレッシュしてくる事はある程度は予想できたけど、山辺が前半活躍していた6番をベンチに下げるなど、17番と18番を投入し中盤より前のポジションをローテーションしてきたのは驚きました!

ハーフタイムでの修正で効果が先に出たのは生駒で、後半に入ると立ち上がりから生駒の前線からの守備対応が持ち直し始めた事もあり、山辺はポジション変更したのもあるのか攻め倦む様になりだし、山辺ベンチサイドは58分に16番を投入して再びポジション変更してきました。

後半20分以降の布陣

Wボランチの片方に9番が落ちて2トップを入れ替えると再び中盤にパスが入る様になり、山辺の攻撃にスイッチが入って右サイドからの展開が増え今度はSH7番が躍動し始めました。

そして迎えた65分に右サイドへの展開から7番がボールを受けて、ドリブルでカットインし生駒DF2人を抜き去り、そのままドリブルからの強烈なシュートを右ゴールポストに当てながら強引に決めて、山辺がこのゲーム始めて勝ち越しました!

ここからは完全に山辺がイケイケ状態となり足が止まり始めた生駒を、パスワークで翻弄して追加点を奪いに攻撃に転じ決定的なチャンスも何度も作って、もし追加点を奪っていれば勝負は決まっていたかもしれませんが、決定機に追加点を奪えず逆に終了間際に生駒に同点とされました。

勝ち越したあとって生駒からすれば当然ゴール取り返したいし、ボールを奪いたい所を逆に底循環されてボールが奪えない時間帯を作られると生駒も焦る訳で、強引に奪いに行きファール取られたりすると更に時間が失われていき、リードされている生駒側からすればドンドン追い込まれていったはずでした。

そういう意味では山辺はボールを落ち着かせていれば勝利がより確実になっていたかもしれませんが、そういう選択はしなかった…これはアクションサッカーをするチームの良さでもあり、弱点なのかもしれない…とも思いました。

生駒は54分にFW77番の交代で投入していた14番が中盤に落ちて起点を作れる様になりだすと、山辺がロストしたボールを14番に預ける事で、これまで単調だった攻撃にタメができる様になりました。

これにより山辺は守備対応に追われる様になり始めて、結果ファールで止める事しか出来ずセットプレーの機会を与えてしまった訳です。
そして、そのセットプレーからのクロスボールに山辺GKが目測を誤りパンチングでクリアできず、ポストに当たりながら直接ネットを揺らす同点ゴールとなりました。

このままゲームは後半終了の笛がなりPK戦に突入しました。
90分間の両校GKのプレーを見ていると明らかにPK戦では生駒に分があるなと素人目でも分かります。

結果は予想通り生駒は5人ともGKの逆をついて難なく決めて、反対に山辺は止められたのは1人でしたが、4人中3人は生駒GKにバッチリ読まれてシュートに触れられてましたので差は歴然でしたね…

この様に激戦となった県内2位対決は生駒の粘りで何とかドローに持ち込み、ギリギリのところPK戦で軍配が生駒に上がり辛くも準々決勝に進出しました。

ポストにも書いた通り内容的には山辺だったものの生駒の強かさを感じるゲームになりましたが、山辺の選手達の『やったった!』感が満載で、試合後もサッカーを楽しんだなって顔をしていました。

山辺は過去にサッカー以外の所でいろいろあり県内の評判はあまり良いとは言えませんが、サッカーの試合だけを観ていると本当に面白いサッカーをするチームになったと思います。

勝った生駒の次の対戦相手は選手権県大会準々決勝と同じ大和広陵との再戦となりました。


◼️準々決勝を前に…


2回戦の全試合結果と準々決勝の組合せは下記ポストの通りです。

準々決勝は2会場となりますが、この対戦カードだと絶対にナラディーア会場の2試合を観たいと思いました。

特に奈良育英と畝傍の対戦カードは見逃せないカードとなります。
因みにアンケートの結果は、下記ポストの様な結果となりました。

県内王者の奈良育英に対して意外に畝傍票が伸びました。
これは私が観た1回戦で魅せたプレーのクオリティの高さに期待しての事だと思います。

選手権県大会準々決勝では真っ向勝負を奈良育英に対して挑み、点差こそ1点差だったものの得点差以上に何もさせて貰えなかった印象が強かったですが、今大会のクオリティなら十分互角に闘える状況だと私は推察しております。

これは奈良育英が選手権県大会~本大会まで全試合スタイル変えなかったので、もし今大会も同じスタイルでゲームに入って来るならば、畝傍が奈良育英のロングボールを回収して主導権を握れる様に思ったからです。
果たして結果はどうなるか?
しっかりと自分の目で目撃して来たいと思います。

今回も最後まで読んで頂きありがとうございました!

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