大学共通テストで浮き彫りになったこと②

大学共通テストで浮き彫りになったこと②
https://diamond.jp/articles/-/255997
5. 指定校推薦枠の問題点
彼らが勤勉に勉強するためにはどのような施策が考えられるのだろうか。各大学が入学前準備カリキュラムと
称して課題等を与え、勉強させるが、受験勉強のそれとは比較にならないほど「ヌルい」。勿論、自宅でセコセコ
学習することに一様の成果はあるだろうが、精神的な脆さは鍛えることができない。一般選抜をくぐり抜けると
きのあの緊張感とは比べものにならないほど、精神的な成長は見られない。
以上のようなことをみると、大学生の学力低下と本人の精神的未熟さだけが露呈する結果となり、それ以上の影
響はないように思われる。広い観点から見れば、大学や社会にとって大きなマイナスなのだが、逼迫した秋影響
はないかのようだ。しかし、考えて欲しい。
彼らのような受験の経験をしてこなかった学生が、大学生となって将来、教員として教壇に立つとしたら・・・・・・。
最大の被害者は未来の不特定多数の子どもたちになる。受験を経験していない指導者がどうやって受験生を指導
するというのだろうか。彼らと同じような学習方法を未来の教え子に指導したとしたら・・・・・・。
彼らの認識は各個人に留まらず、後世に伝承されていく。悪しき慣例としてではなく、勉強の切り抜け方として。
これは壮絶な人生における事件の加害者となり得るではないだろか。
6. 共通テストになった今だから出来ること。
今後、このような学生を少しでも減らすために、試験の振るいにはかけなければならない。資格を取得させるこ
とでモチベーションを維持するやり方ではもはや対応できないくらいマニュアル化された大学入試にはもっと
根本的な改革が必要である。
まず第一に CEFR の早期導入と受験生のランク取得義務化である。導入が先送りされた CEFR は既に私立大学
の一部では受験優遇が始まっている。これを全国的に拡大し、入試形態を問わず取得させることで、推薦組にも
ある程度のハードルになる。日本の大学制度では大学卒業には高いハードルと形成しにくいため、アメリカのよ
うな卒業の門戸を狭めることは難しい。ただ入学や進級の条件に新たなハードルを設けるのは実行可能である。
ここで配慮しなければならないのは CEFR の受験料の減免である。IELTS やケンブリッジ英検の受験料は軽く 2
万円を超える。G-TEC や TEAP も 1 万円以上の受験料になり、今のところ英語に関する資格は英検だけである。
英検だけが 2 級までなら 1 万円以内で受験できる。政府はこの受験料に多くの援助をすべきだ。受験料が数万円
に及ぶような資格なら、政府が学生に対して補助を行い、所得格差がそのまま教育の格差、ひいては学力の格差
につながることを阻止すべきである。
指定校推薦の制度をすぐに廃止することは出来ない。内部進学や提携校、一貫校の入試についても精査する必要
があるからだ。経済的な政府の援助と CEFR 取得義務化を大学受験に導入すれば、どのような選抜で大学受験を行ってもある程度の向学心と学生の質を保つことが出来るのではないだろうか

福島県のどこかに住んでいます。 震災後、幾多の出会いと別れを繰り返しながら何とか生きています。最近、震災直後のことを文字として残しておこうと考えました。あのとき決して報道されることのなかった真実の出来事を。 愛読書《about a boy》