戦略的モラトリアム【大学生活編】(35)
知的障碍者授産施設の実習も今日が最終日。
作業所で話慣れた仲間と慣れた手つきで業務をこなす。
「○○さんは中学校の先生になるの?」
突然の質問に驚いたが、作業員さんがボクに尋ねてきた。
「そうですね。なれたらいいですけど、なかなか難しいと思います」
つぎはぎだらけの答えに、自分でもしどろもどろになりながら、そう言うしかなかった。
「何を教えるの?」
「一応、英語です」
「へぇ、すごいんだね。私はバカだから全然わかんないや」
彼女は無垢に照れ笑いに似た笑顔で自分を見