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海底世界の着ぐるみアイドル③(終)

 中年男性が着ぐるみでアイドルすることになる話。

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※挿絵はDALL·Eを用いています。


 エミリーちゃんと私は、それから必死に練習した。
 "機能"が作動しているのは分かっているけれど、身体表現を意識するようにしている――それは嘗て地上に存在していたアイドルのように。

 歌う事、躍ること。
 基本動作は"機能"に具わっている。
 重要なのはそれを自分自身で能動的に扱う事だ。

 そう言う練習は、嘗ての"人間の"アイドルのそれとは違う努力だし、自分たちが楽をしているのも明らかな事だ。
 でも、それでもアイドルとして、人々が憧れる存在になろうと手を伸ばす。
 手を伸ばし続けないと、それはこぼれ落ちてしまう。

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