ハリウッドスターの「中国共産党寄りのジャッキー・チェン」を正しく理解したい
ジャッキー・チェンが中国本土に８億円の豪邸を購入したことがネガティブな意味で話題になっているという報道がありました。
日本の大スターが豪邸を買って、悪い評判が出る場合は、ご近所とのトラブルなどの揉め事があった場合がほとんどだと思われます。
ジャッキーの場合は、そういった具体的なトラブルは記事には掲載されていません。
中国本土に豪邸を買ったことが、改めて中国共産党よりのジャッキーの姿勢を浮き彫りにしたと問題視されているのです。
この文脈が語ることを正確に理解できずに、何となく「ジャッキーが問題行動を取っている」と理解する読者もそれなりにいると思います。
あえて、誤解を有むポイントを放置している記事は、フェイクニュースの一種と捉えるべきです。
中国共産党の危険性の説明不足
元の記事を読むと、危険な中国共産党に賛同し近づいているジャッキーという人物もまた危険であるという論調を感じさせられます。
１９年、香港民主化デモのきっかけとなった「逃亡犯条例改正案」を支持するコメントを発表。さらに、香港における国家安全法の導入にも賛成するなど、大陸寄りの姿勢が鮮明となっていたことから、香港では「裏切り者」との批判を受けている。
この文章が掲載されているのは、東スポです。
はっきり言わせて貰えば、東スポの読者は、おそらく、中国共産党の危険性についての前提知識は少ないと思われます。
だから、この記事を読んだ人は、ジャッキーにまつわる次の要素だけを簡単に拾い上げてしまうのでは無いでしょうか？
ジャッキーは民主化に反対姿勢の人物
ジャッキーは裏切り者との批判を受けている
香港市民からは『共産党の犬』という批判を受けている
テレサ・テンなどの他の香港スターは共産党を批判した
ジャッキーは中国共産党と仲良くして本土に豪邸を建設
ジャッキーは香港のスターから中国本土のスターと変わってしまった
これだけでは、ジャッキー・チェンという人物が全体主義に賛同している人物であるとしか見えないと思います。
しかし、物事は、そんなに単純ではありません。簡単にでも、ジャッキーの置かれた微妙な立場に触れる必要があると感じます。
ハリウッドスターであるジャッキー・チェンの立場
現在、アメリカ映画にとって、巨大な中国市場での売り上げが非常に重要な位置づけにあります。
だから、実力・知名度・人気のある大スターだって、反中国の発言をすれば、ハリウッド映画に出演できなくなってしまうことだってあります。
事実、反中国共産党で有名なリチャード・ギアは、最近、ハリウッドで見かけない存在になってしまいました。
リチャード・ギアと、ジャッキー・チェンのどちらが中国市場の売り上げが必要なハリウッドスターなのでしょうか？
言うまでもなく、ジャッキーのはずです。
だから、ジャッキー・チェンがハリウッドスターでありたいと思うなら、彼は中国共産党と仲良くしなければならないのです。
一般庶民からすれば、影響力のある映画スターというのは、何でも出来る存在と思うのかもしれません。
しかし、実は、そうではありません。
だから、ジャッキーに反中国共産党の活動を期待するというのは、俳優を辞めて政治家になれとでも言うようなことなのです。
そんな事情を説明せずに、一方的にジャッキーを叩くような報道は、フェイクニュースの１つと言って良いでしょう。
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