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森を歩く

冬期休業に入った職場のキャンプ場の、森の中を久々に歩いてきた。シーズン中の忙しい時にも、朝早く出勤して森を歩くと、ただそれだけで身も心もリフレッシュできる、私のお気に入りの場所。うっすらと積もった雪の中で、木々は眠るように静かだ。

倒木?!

歩きなれた森の小道をふさぐように木が倒れている。前にはなかったはずだ。どれどれ、どこの木が倒れたかなー?と近くを見渡してみても、株が見当たらない。直径25センチくらいはあるだろうからいくら何でも枝ではないだろうと思いつつ、周りの木を見上げてみると、少し離れたところにある木のかなり高いところで折れたような形跡がある。高さ20メートルくらいはあるだろうか。木の中腹から折れて落ちた、ということのよう。

どら焼きみたいなきのこ?石のように硬い。

これほどの大木が木の中腹から折れたのはどうしてかなぁ、と思いながら折れたあたりをよくよく見ると、きのこらしきものがついている。同じようなものがもう一つあった。木の中は黄土色に変色し、ボロボロの状態だった。
落ちてきた樹についた葉から、もみの木だと分かった。何十年生きてきたのだろうか?クリスマスを目前に力尽きてしまったもみの木が、なんだかかわいそうな気がした。

今年の6月だったか、他県のキャンプ場でテント泊の客が倒木が直撃して亡くなるという痛ましい事故が起きた。その直後、どこのキャンプ場もだと思うけれど、私の職場も場内の樹木の一斉点検が行われた。その時に「こんなきのこがついたら危ないよ」と教えてもらったのがこちら ↓

鳥肌が立ちそうなほどびっしり

この木は現在使われていない遊歩道に立っていたけど、その数か月後にはやはり根こそぎ倒れていた。きのことはいえ、もともとは目に見えないほど小さな菌類が、これほどの大木を死に至らしめるとは...。

ここ数年、興味があって本を読んだり調べたりすることはみんな小さくて見えない世界のことが多い。変形菌、腸内細菌、菌根菌、発酵、きのこ、苔...。そのどれもがつながってることは何となく分かってきたのだけれど、まだまだ勉強途中だ。森を歩いていてまた一歩、菌の世界に引き寄せられてしまった。


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