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映画 ”いまを生きる” ~DEAD POETS SOCIETY~

中学生の頃から外国映画が大好きで、当時はRoadshowとかCinemateenとかの雑誌を欠かさず買っていた。好きな俳優さんにファンレターを書くために、英語の辞書を引きながら徹夜したこともよくあった。映画はたくさん見てきた方だと思うけれど、”いまを生きる” が 一番好きな映画だ。好きすぎて名場面のセリフも暗記するほど何度も見ては、涙した。高校生の頃は丸善で原書を手に入れて読んでいた。

私は割と、世間の一般的な枠からはみ出して生きてきた。高校生の頃から受験のための勉強には意味がないと感じていたし、日本の教育制度には疑問を抱いていた反抗的な学生だったと思う。そんなことを感じている人は当時私の周りにはいなかったし、こんな話ができるのは留学生の友達だけだった。

映画の舞台は、全寮制の名門高校で、裕福な家庭に生まれ育った子供たちがそれぞれに悩みを抱えながら送る高校生活の中で、型破りな国語の先生と出会い、成長していくストーリー。エリート校で将来がある程度保障され、傍から見たら何不自由ない生活を送っているかのように見えても、大人の敷いたレールからはみ出さないように生きるしかない彼らにある種の同情を抱いていたのかもしれない。「自分に正直に生きること」、「自分より力を持つものに対して時に抗うことも必要であること」、「言葉の持つ力、美しさ」、「恋することで強くなれるということ」...たくさんのことをこの映画から学んだ。

学校で学ぶ知識は、人生の中で必要なものもあるけれど、その大半は生活の中で生かされなければ消えていってしまう。学生時代に出会った先生の中には、人として生きていくうえで大切なことを教えてくれた先生もいた。そうした先生たちから学んだ「生き方」は、今でも私の価値観の土台となっている。私の人生にも素敵な出会いがあったんだなぁ...と、あの頃の倍以上生きてきた人生を振り返りながら、しみじみ思う。

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