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抗えない。中山さんを好きという気持ちから逃げることができない。どうしてなんだろう。中山さ…
家に帰ったらもうかなり遅い時間だったからすぐにシャワーを浴びた。酔った体が熱くて、いつも…
テーブルに戻ると高梨さんがスマホを触っていた。私が戻ってきたことに気づいたら、なんだか楽…
高梨さんはとてもよく話す人だった。 学生時代には私にも仲の良い男友達が何人かいたけど就職…
連載小説『中山さん』についてのお話です。 『中山さん』シリーズは約3年前のnoteデビュー当…
「結城さん、いつもこのくらいの時間にお帰りですか?」 会社の帰りの電車で偶然同じ車両に乗…
奥さんの入院で中山さんが会社を休み、中山さんに会えない昨日は不安でしかたなかったけど、欠勤はたった一日で済んだし翌日の今日はまたいつも通り中山さんが出社してきてホッとした。 朝はせっかく二人で乗ったエレベータに白木課長が乗り込んできて、中山さんに奥さんの様子を尋ね始めた。奥さんの話なんて朝から聞きたくなくて嫌だったけど、でも私が直接中山さんから聞くよりも課長と中山さんの会話を横で聞くほうが気持ちは楽だったかもしれない。 二人の会話から分かったことは、もともと体調を悪くして
中山さんが欠勤した昨日の朝は、慌ててオフィスに飛び込んだ。少しでも早く中山さんの状況を知…
連載小説『中山さん』を4ヶ月ぶりくらいに更新したんですが、いつもね、更新したらダッシュボ…
ずっと誰にも言えずに一人で抱えていた。奥さんのいる人を好きになってしまってお付き合いをし…
「・・・好きな人がいるの」 涙と一緒にその言葉がこぼれた。でもそれを言うだけで精一杯で続…
「さやか、ごめんね、突然来ちゃって」 春菜がコンビニの袋を手で持ち上げながら笑った。春菜…
月曜日の今日はオフィスに飛び込むように出社して、帰りは逃げ出すように退社した。つらくて今…
終業時間が過ぎてすぐに私が取った電話は、中山さんの奥さんからだった。 戸惑いが伝わってくる少しの沈黙のあとで、耳に飛び込んできた奥さんの声はわずかに震えていた。小さな声で「中山の妻でございます」と言った彼女の不安げな声色が私の心臓を瞬時に掴んで、私から言葉を奪った。 週末に私は、大好きな中山さんと初めての夜を過ごした。ずっと欲しかった中山さんのすべてを束の間でも感じることができた夜。深まった愛を大切に抱きしめながらも日曜の夜には私たちは別々の家に帰った。中山さんが私だけの