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小説・フィクション

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小説や詩、フィクションのお話をまとめています。かなり短い作品ばかりですが、一部前編・後編ものや連載しているシリーズも入っています。書き始めたときは誰かに読んでもらうのがあまりにも… もっと読む
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2019年10月の記事一覧

ココア

「もう冬だね」 手を繋ぎながらあなたにそう言うと、あなたは笑ってこう答える。 「まだ秋だ…

椿 -TSUBAKI-
4年前
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運命のゲーム

結婚してもう10年が過ぎた。 10年も経てばどこも同じようなものだと思うけど、私と夫の間…

椿 -TSUBAKI-
4年前
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今日は私が。

「大丈夫?」って聞いたら、いつもあなたは「大丈夫」って言うね。 今日は少ししんどそうに見…

椿 -TSUBAKI-
4年前
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最後のプレゼント

来るかな・・・来ないよね。 分かってるけど、あなたがいつも乗っていた電車が来るのをホーム…

椿 -TSUBAKI-
4年前
29

今日も一緒に。

「ねむい」って君は言う。 いつもそうなんだ。君はすぐに眠っちゃう。僕の腕の中で幸せそうな…

椿 -TSUBAKI-
4年前
26

「んー」

「ねぇ、私のどこが好き?」 ベッドで二人でくっつきながらあなたに聞いた。 「んー」 少し…

椿 -TSUBAKI-
4年前
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雨とあなたと私と。

頬にかかる雨にきづいて「あ、雨だね」とつぶやいた。 並んで歩いていたあなたは雨にまだ気づいていない。私は雨に気づくのが誰もよりも早い。 「ん? 降ってる?」 「うん。降ってるよ」 短い会話を交わし、二人で空を見上げる。 きつねの嫁入りだろうか。 空は青い。 だけどおでこに、まぶたに、ほんのわずかな感触。静かで細かい雨つぶを感じる。 「あぁ、降ってるね」 としばらくしてあなたが言った。 「いつも気づくの早いね」 とあなたは笑う。 何度同じ会話をしたんだろ

「君の声が聴きたい」 ネットだけで繋がったあなたに何度もそう言われた。 世界中につながる…

椿 -TSUBAKI-
4年前
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あなたの愛は海のように深く。

私と洋一は結婚して2年の夫婦です。 私たちは職場で出会い、私は洋一の太陽のような笑顔に恋…

椿 -TSUBAKI-
4年前
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恋の不思議。

不思議だなぁって思うよ。恋って不思議。 あなたじゃなきゃダメなんて、そんなことはないはず…

椿 -TSUBAKI-
4年前
26

特別の日だから。

ベランダで育てているパセリをあなたが優しく摘み取って、スープに浮かべた。 「できたよ」っ…

椿 -TSUBAKI-
4年前
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我慢がまん

わがままだって分かってる。 あなたが私以外の誰かに笑顔を向けるのにヤキモチ焼いちゃうなん…

椿 -TSUBAKI-
4年前
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ふわふわとサラサラ。

ふわっとしたあなたの髪をくしゃっと掴んだら、私の長い髪をギュって掴み返された。 なんとな…

椿 -TSUBAKI-
4年前
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空に向かって。

横に並んでいるあなたに触れたいと思った。 だからちょっとだけ近づいて、肩をかすかに触れ合わせた。 ドキドキした。 あなたが私から近寄ったことをどう思ったかなって思うと恥ずかしかった。 でもあなたが少しも動かなかったから、私は戸惑った。 もし嫌だと思われたならどうしよう。 私からこんなことして嫌だと思ったのかもしれない。 触れた肩から私の不安が伝わる気がして、ちょっと俯いた。 嫌われるのが怖かった。 そのとき、大きな音がグラウンドに鳴り響いて、真っ白なボールが