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大切な思い

凄く久しぶりのnoteです。
今年、2023年は少しでも投稿しようかな、と何となく思っていた。
そして久しぶりなのに少し暗い内容かもしれないが、noteに纏めておこうと思う。

今日、2月15日は元上司の命日。
今の会社に入社した当初、とてもお世話になり、1人で現場が回れるようになるまで、面倒を見ていただいた。
凄く不器用な人だった。
凄く真面目な人だった。
頑張りすぎて、空回りして、周りからは少し煙たがられていたように思う。
私達現場へ行く人間とは、仕事が違うので、距離感は営業所内の人間達とは違っていた。

彼は私と歳が近かったのもあるが、もっと上にも見えていた。
聞いた話だと、学生の頃からか名古屋の方にいてそのまま就職したとかで、ご実家は関東だったらしいが、そのまま親元を離れ生活していたのだろう。
いつも母親の話を出しては心配を口にしていた。
ちょうどコロナが始まり、なかなかご実家へは帰れなくなり、電話で近況などを報告していたようだ。私との会話でも、よく母親の話が出ていたのを覚えている。
そして、ヤクルトスワローズの熱狂的なファンだともよく話していた。私は応援するとなるとドラゴンズばかりだったが、つば九郎は可愛いと思う。彼のLINEのアイコンもつば九郎だった。

彼はちょっとした事でも、自分を純粋に出すような人に私には見えていたな。
営業所へ帰れば、「お疲れ様です」と言っているのかいないのか、わからないような静かで暗い雰囲気の中、彼だけは違っていた。
「暑い中お疲れ様でした」
「雨の中大変でしたね」
「今日は何も無かったですか?」
「体調は大丈夫ですか?」
「何かあれば連絡下さいね」

思い出すだけでも、他愛のない話から仕事の話、心配までしてくれたのは彼だけだった。お世話になっていたのもあるし、新人の私の面倒を見ていたのだから、他の人は関係ないような雰囲気だったが、そうじゃない。
彼は全員にベテランの方だろうが、誰だろうが、きちんと声をかけてくれていたのだ。
私は自分の性格上、お疲れ様、大変だったね、とかそういうひと言で疲れが吹き飛ぶぐらい嬉しくなるので、彼の言葉は支えにもなっていた。
3ヶ月間、そんな感じで過ごした折、彼に急遽辞令がおりたのだ。異動だった。
彼が最後の挨拶で、まだまだここの営業所でやりたい事が沢山ありましたが、異動しても頑張ります!という言葉をよく覚えている。そして何より相談しやすく話しやすかったので、仕事が出来る出来ないより私はそっちを重視していたので、異動はかなりショックだった。
異動しなければ、ずっと同じ営業所だったら、あんな事にはならなかったのではないかという、複雑な感情でしかない。
とても愛の深い人だった。
周りに気を使えて優しく出来る。なかなか出来ない事だと思う。どんなに仕事が苦しくてもキツくても周りにあたることがない。
素敵な人だった。
だからこそ悔しかった。
また、いつか同じ営業所で働けると思っていたのだ。

大切な思いを忘れたくないために、今年の彼の命日に投稿をしようと思った。

家族や友人、大事な人がいつもいつまでも一緒にいられる訳ではない。分かっていても急に事態が急変する事だってある。
私は彼のおかげで仕事を辞めずにすんだと言っても過言では無い。
彼にはとても感謝している。もっともっと感謝を伝えたかったのだが、それはもう叶う事はない。

今日は静かに彼の事を考えながら、キャンドルに火を灯す。大切な思いを胸に。

ありがとう

彼に祈りを捧げる

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