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三山ひろしコンサート【東京国際フォーラム】



東京国際フォーラムAホール

会場付近に着くとすでにお客さんでごった返していました。
お客さんのほとんどは、いわゆる後期高齢者ぐらいの方たちで、30代の私は結構浮いてました。

三山ひろしさんのコンサート。

母からチケットを貰うまで、誰かも知らず、行く前に少し検索した程度。
とりあえず演歌を歌う。その程度の知識。

どんなライブでも楽しもうと思えば楽しめるタイプの私は、こういう知らない人のライブが大好きで、

「さて、どこを楽しもうかな」
と探すのが楽しいのです。

座席は9列目。
2階席もある東京国際フォーラムAホールの9列目は、1階席で、超前の方と言っても良いくらい、迫力のあるステージが見やすい、とても良い席でした。

まず登場してきた三山さんは、光を反射したキラッキラの衣装で、動くたびにキラキラ輝いてました。

登場と同時に客席からは「わー!綺麗!」という声が上がり、私もあまりの輝きっぷりに思わず笑ってしまうほど、一気にテンションが上がりました。
その後、2、3曲歌うごとに衣装チェンジしていって、多分合計6着くらいでしょうか。着替えてました。
目で見て楽しむ。という点において、完璧でした。

演歌ならではの作り込まれた表情、指先の動き、ゆったりしつつ、ここぞというときで拳を胸に引き寄せ、グッと力む。
小箱のライブハウスでシンガーソングライターが、のんびりと気楽に歌う感じも好きなのですが、
プロ、一流と言われる方の、100%作り込んだパフォーマンスは、一つの芸術作品を見ているようで、多くの人を惹きつけるのは、やはりこういう人なのだなと思いました。
これができる人が、東京国際フォーラムに立てる。

それから、バックバンドの紹介。
トランペット、ギター、ベース、ドラム、シンセサイザー、ピアノ、、あとなんだっけ?すみません。

7人いたバックバンドをちょっと激しいジャズのような曲に合わせて、1人ずつソロを回しながら紹介していく。
1曲分くらいの時間を費やしての紹介は、曲の合間にするような紹介とは違い、一人一人が主役の時間をもらったようで、見ているこっちも嬉しくなりました。
三山さんはその時間は、紹介役としてステージの端にいました。
しっかりバックバンドメンバーに華を持たせる。
人柄の良さを感じました。


その後、

「事務所の後輩なんですけど、まだデビュー前で、来年デビューできるかな?って感じの子なんですけど、1人紹介していいですか?」

と言うと、

舞台袖から、水色の華やかなスーツを着た、まだあどけなさが残る少年が出てきました。

20歳。北海道札幌市出身。4歳から民謡をやってました。小学校の卒業文集に、東京国際フォーラムで歌いたいって書きました。

緊張しながら自己紹介を終えた後、三山さんが隣に来て、

「一曲歌わせても良いですか?」

とお客さんに呼びかけ、曲がスタート。
あたたかい空気の中、お客さんの手拍子。
我が子を見守る感じで見る。
三山さんと比べると、声に力がなく、もうちょっとマイクのボリューム上げてほしいなと感じましたが、それも演出なのかと思えるくらい、
歌い終えるとたくさんの拍手に対して「これから頑張ります!」と深くお辞儀して締めくくってました。

後期高齢者のお客さんにとっては孫の世代で、
客席からは、
「可愛かったねー」と、チラホラ声が聞こえてきました。


途中途中で入るMCは、昔の洗濯機の話と、カブトムシの話でした。

「昔は脱水機が別だったんですよー。ガタゴトガタゴト音がして壊れてるんかって!ね!あ、僕は知らないですよ!生まれてませんから!おばあちゃんが言ってました!」

まぁー、お客さんの年齢にピッタリ合った話で、共感したお客さんは大笑い。

「コロナで歌えなくなってね。寂しくて寂しくてね。だから、カブトムシを飼ったんです!ね!でもそれで心の穴は埋められませんでした、、。だからね、仕方がないから、、今度は、、クワガタを飼ったんです!ね!ちょっとだけ埋まりました!ね!今も元気に生きてますよ!」

これまた大笑い。

こんなに楽しいMCを見たのは久しぶりで、なんてサービス精神のある人なんだろうと。

MCって、アーティスト自身の頑張った報告か、宣伝で終わるものが多い中、
お客さんが共感できるネタや、笑えるネタを仕込んでくるのは、やっぱり一流だなぁと。

演歌歌いながらギター弾いたり、
演歌歌いながらドラム叩いたり、

このドラムがたぶん普通に上手くて。
演歌歌手がドラムですよ?すごくないですか?しかも歌いながら。

バックバンドのドラムの人とソロの掛け合いなんかもしちゃって、その後、得意のけん玉も披露しちゃって、この人どんだけ多才なんだと思いました。

「さて、どこを楽しもうかな」
と探すつもりで来たのに、知らない人なのに、曲も全部知らないのに、
全部楽しめました。何から何まで面白い。
お客さんを楽しませることを徹底的に考え抜いたコンサート。

8年連続で紅白歌合戦に出場してるようで、今年も出たいなーって言ってました。

いやー、出れるでしょう笑
これだけ人を楽しませられる人なのだから出れるでしょう。
私、初見なんですけど。初見ですよ。それでこんなに楽しかったのですから。出てください笑


最近は距離感の近いライブしか行ってませんでしたが、たまにこのクラスのライブというかコンサートに行くと、学ぶことがたくさんありますね。

好きなことで誰かを喜ばせられたら最高です。

歌うことが好きなら、歌うことで誰かを喜ばせられたら最高です。

私は書くことが好きなので、書いた文章で誰かを喜ばせられたら良いなーなんて。
三山さんがこの文章を見ることはないと思いますが、書きたかったので書き残しておきます。

最高に楽しかったです!
ありがとうございました!




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