見出し画像

売れていく人



ライブを3回見れば、ほとんどのアーティストを好きになる。

慣れ。
慣れたことって、気持ちに余裕ができて楽になる。
安心できて、落ち着く。
この人はこんなライブするって分かっていれば、気持ちの準備もできる。
楽しむための、心の準備。

逆に3回見て好きにならなければ、どこかおかしい。

「この人は自分のライブにお金を払って見に行きたいと思うのかな」

「家族や職場の人、好きな人とか大切な人にお金を払わせて見に来てもらいたいと思うのかな」

「その程度のライブパフォーマンスで、サポートの人に迷惑だとか考えないのかな」

「あなたはよくても、見てるこっちが恥ずかしくなる気持ち、分かるかな」

「恋人が推してる人が、自分みたいな人だったら恥ずかしくならないのかな」

「逆に、自分の推しは自分だと胸を張れるのかな」

そんなことを考えながら見る。

実力不足というよりは、ダサいライブのままで良いと思ってる傲慢さに引いてしまう。


でも、この前初めて見たアーティストさんは、1回で好きになった。
1発でわたしを撃ち落とした。

なぜだろう。
何が違うんだろう。

たぶん、曲と、ファンのノリ。

「歌詞に想いを込めました!」系MCをよく聞くけど、ライブで歌詞なんてほぼ聞き取れない。意味がない。聞こえないから。

曲の良さが1番。
そして、曲の良さを引き立てるファンのノリ。「ライブが楽しい」は印象に残る。

「あ、この曲好きだ」

ライブが終わった後に、iTunesで検索。
わたしの場合、ここでiTunesに出てこないアーティストはほぼ終わる。

CDの方がダイレクトに売り上げにつながるというアーティスト事情はなんとなく分かるけど、
CDをパソコンで読み取ってスマホに移す作業がめんどくさくて、買っただけでそのまま積んであるCDが多い。

「福島清香」と検索。
何曲か出てきて試聴する。ライブで聴いたあの曲を探す。

「スーパーヒーロー」という曲だった。
1曲250円ほどなので、買って聴く。

歌詞がめちゃめちゃ良い。
ここで初めて、歌詞の良さに気づく。

「君が笑える世界は作れないけど、笑える場所は作りたいな」

アーティストさん自身の、お客さんに伝えたい思いが詰まっている気がする。

笑える場所を作りたい。

笑える場所に客は集まる。

Xもチェック。
告知、無料配信、動画、TikTok。
弾き語りの動画に、歌詞どころかコードまで入れていて、見た人が一緒に弾けるようになっていた。

さらに、DMがきた。

ライブに来てくれたことへの感謝と、私が書いているエッセイへのお褒めの言葉。
そして、「またSさん(推しのサポートギタリスト)とご一緒できるように頑張ります」という謙虚なコメント。

「ご一緒できるように頑張ります」

そう! それ!

「私は今後もSさんにしかサポート頼まないから」

と、「Sさんは物ではありません」と思わず突っ込みたくなるような強欲すぎる人もいる中、この謙虚でサポートに敬意を表する姿勢。

そして圧倒的なサービス精神の高さ。

チュドーーーーーン!!!
撃たれました。

これは売れる! 絶対人気出る! すごい!

と思っていたら、今日Zeppヨコハマのライブを決めてました。


好みの問題もあるけれど、たくさんの人を引き寄せる人は、思わず応援してしまいたくなるような何かがあるなぁと思いました。

陸上を10年やっていらしたそうです。

重くならないで、軽く、ふわふわっと浮いてるような人。

さっぱりしてて、執着しない。

サポートのギタリストが代わっても、Zeppヨコハマは行こうと思いました。







この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?