見出し画像

大阪のたこ焼き



2020年1月。
テレビでコロナの話がちらほらと出てきたときぐらいの話。

ギターの先生の先生をしていた人が大阪で活躍していると知りました。

井野アキヲさんといいます。
(とくに名前を出しても問題ない人です。普通に
ギタリストしてる人なので)

「先生の先生なら、一度見てみたいなぁ」と主人に話したら、

「マイルで飛べるから行ってきな」

と言われました。

それまで1人で飛行機に乗ったことはなく、
飲食店はサイゼリヤくらいにしか入れず、
井野さんのライブがあるのはBARで、もちろんBARになんか行ったこともなく、

そして、初対面のギタリストに話しかける度胸がわたしにあるのかと。


ここで、占いが背中を押してくれた。

金のインディアンのわたしは、五星三心占いでは「健康管理の年」
この年の上半期の決断は、人生を変える。

よし。

1人で大阪へ飛んだ。


大阪といったらたこ焼き。

わなかというお店。
大行列だったので、観光客に紛れて並びました。

順番が来て、たこ焼きを受け取り、席へ。
まわりには、現地の人と思われる女の子たちがいて、ボリュームMAXでお喋りしていた。

たこ焼きの写真を撮って、さて食べるかと思ったときに気づいた。

箸がない。

セルフサービスだったかなと、周りを見渡しても、それらしきものはない。

主人がいたら「箸どこだろう」と聞けるのに、1人だから聞くこともできない。

再びたこ焼きを見ると、たこ焼きの隅に、長い楊枝が2本刺さっていることに気づきました。

ん?
まさか、これで食べろってこと?

咄嗟に女の子たちを見て驚いた。
みんな、2本の楊枝をたこ焼きに突き刺して、ヒョイっと持ち上げ、パクリと食べていた。

なるほど。

わたしも見様見真似で、2本の楊枝をたこ焼きに突き刺して、持ち上げた。

ボトリと落ちた。

皮が柔らかすぎて切れて、ドロッとした。

いやいや、無理でしょこれ。

口を近づけて、楊枝で掻き込むようにして、一口でいくには大きいので、まず半分食べた。

美味しい。けど、器がドロっと汚れた。
残りの半分も掻き込むようにして食べた。

またドロっと汚れた。

食べ方がめちゃめちゃ汚い人みたいになり、恥ずかしい。

全てのたこ焼きを、楊枝で掻き込むようにして食べたので、器は悲惨な状態になりました。

お店を出て主人にLINEした。

「たこ焼き食べたんだけどさ、箸なかった。楊枝しかなかった。なにあれ」

「ちゃんとしたたこ焼きは爪楊枝で食べるんだよ」

「無理だよ。ドロドロになった。レベル高い」

大阪の人は小さい頃からみんな爪楊枝でたこ焼きを食べているのかと、衝撃でした。


今は、爪楊枝でたこ焼きを食べられます。
飛行機も1人で乗れるし、飲食店も1人で入れるし、BARにも行ける。

たった4年前の出来事ですけど、人生変わった。

自分ではなく、占いを信じたからこそ、変えられた。
自分を信じていたら、大阪まで行って、井野さんに会おうとは思わなかった。

占いが全てではないですけど、自分も、そんなに信じない方がいい。

きっかけって、フワッと湧いてきて、そこに気づくか気づかないか。
乗るのか乗らないのか。
見てみぬふりをしながら通り過ぎてしまうのか。

あの時のあれがなかったらって、振り返るとそんな瞬間はたくさんあります。誰にでも。

ドロドロになったたこ焼き。
自分の無知さを思い知った瞬間でした。

きっかけをくれた人には感謝しかないです。

井野さんとの話は、またそのうち。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?