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私のヘアスタイル奮闘記~くみっきーになりたい~


※現在32歳、大学生時代の話です。ご覧になる方によってはかなりジェネレーションギャップを感じる表現が多数ありますのでご注意ください。



いろいろな髪型をしてきた。

飽きっぽくてミーハーな私の性格と、なんか似合わない?を繰り返し
定期的に「アァア!!!髪型変えたい!!」の発作が起きる所為である。


にっくき天然パーマとの死闘は、大学生くらいになってやっと終戦した。
当時、「うねり」というか「荒ぶり」に近かった髪はまるでヤマタノオロチのようだった。八つどころか無限に枝分かれして私を苦しめるあいつを、「縮毛矯正」と「加齢」によりうち滅ぼしてやったのだ。私にとってのスサノオとアマテラスである。

彼らの協力のおかげでかなり癖は落ち着き、大学生くらいからは美容院に行くことも増えた。
愛読書Popteenの切り抜きを持って行っては、色々なヘアスタイルとカラーを片っ端から施してもらった。


だが、すぐに次なる宿敵が現れた。
「面(ツラ)」である。

私はおでこがとても広い。
それに加え、顔の横幅が異様にせまいため、デコ広バフの恩恵もあってかなりの面長レベルだ。どれを差し引いても顔が長い。

強・面長を自覚したのは、当時流行っていたバンダナを装着したときのことだった。

当時大リスペクトしていたくみっきー(かわいい)


ちょっとこなれ感があって、ボヘミアンチックな雰囲気が出て、とてもかわいいと思って390マートで買った。

サークルの合宿で満を持して初おろししたバンダナ。
友人のA美は私を見るなり
「ねえ、それ…やめたほうがいいよ、ゆってぃみたいだよ」


え?


ゆってぃ??????
くみっきーでも小森純ポでもなく、ゆってぃ????
頭がワカチコしてしまい、「えーマジ?じゃあやめとこ~アハハ」とおニューのバンダナをむしり取るので精いっぱいだった。

ちっちゃいことなら気にしなかったが、「人によっては似合わないものがある」という気づきは大きな転機となった。
今となっては当たり前のことだが、うら若き見習いギャルの私には知りえないことだったのだ。
意中のイケメン先輩と、ワカチコのままタケノコニョッキを繰り広げる悲劇を回避させてくれたA美には感謝しかない。

さて、改めてくみっきーとゆってぃを比べてみたところ
決定的なのは顔の長さの違いだという結論に至った
(多分もっと理由は色々ある)。

「じゃあ、面長でも似合うヘアスタイルにしよう」

popなteenになる夢を諦めない私は、すぐに気持ちを切り替える。その頃には、バンダナが似合わないことなどちっちゃいことになっていた。


面長研究員(通称:オモ研)となった私の鬼リサーチの結果

①シルエットをひし形に近づける
②前髪を作ってムリヤリ顔の面積を削る

この方法で面長は緩和されるとのことだ。


そもそもこの人が面長じゃないが?



モー娘全盛期を経験し、なおかつ長年天パに悩まされた身としてはストレート至高主義が抜けておらず、長いことワンレンロングにしていた。
あえてくびれやハネを作るというのは、命からがら封印したヤマタノオロチを復活させるような非人道的行為に思えたが、ここは潔く多数意見に流されよう。


①シルエットをひし形に近づける


まずウルフカットに挑戦することにした。
ちょっと個性強めな感じがかっこいい。

当時はもうちょい時代を感じるロックテイストでした


が、クソほど似合わない。
「NANAとか上戸彩みたいな感じでもいいな」と浅はかな考えを持っていたが、ゆってぃがそう簡単に主演級女優に様変わりできるのなら
整形外科医はみな美容師をやるだろう。

襟足のピョイが死ぬほど邪魔だ。せっかくひし形に整えたシルエットが
少しのピョイのせいで顔の下半身サイズを増幅させている。

その時の美容師さんもこれはアカンわと思ったのか、「すみません、やっぱり襟足なしで…」と言うや否や「ですね」と食い気味にピョイを切り落とした。ピョイはたった数秒のうちに生まれ、美容室の床に散っていった。

無事一般的なショートヘアが完成したわけだが、これでは女バス時代とさして変わらない。

「運命のお似合いヘア」を追い求める道は長そうだ。


その後、女バスショートにとってつけたようなエクステをぶら下げたり
再度くびれヘアに挑戦するも、レイヤーの位置が高すぎてチ○コみたいになったり
そうこうしているうちにボヘミアン流行は過ぎ去り、可愛いめギャルがブームとなっていた。


ふんわり



②前髪を作ってムリヤリ顔の面積を削る

そこでやっとセミロングになった私は、可愛いめギャルへの転向を胸に
前髪を切る作戦へと移行する。

こちらの戦略が正解だったようで、A美をはじめとした友人からも「いいじゃん!前髪あったほうがいいよ!」と褒められた。
デコ、お前だったのか。お前には二度と日の目を拝ませねえぞ。

ヴィダルサスーンのコテ(ドンキで購入)の使い手となっていた私はすでに「ゆる巻き」もマスターし、自分史上最高の可愛いめギャルを更新したつもりでいた。

さあ、私のお似合いヘアはやっと定まった。



今日は久しぶりのサークルの飲み会だ。私のCUTEなタケノコニョッキにイケメン先輩もニョッキッキしてしまうはず。


~飲み会にて~


イケ先「お~!!○○、なんか雰囲気変わってる!
くみっきーっぽくなってんじゃん!!

わたし「えぇ~??そうですか~?///(キタキタキタァ!!!)」

イケ先「うん、ちょっと似てるよ、髪とか!!





「面(ツラ)」との付き合いは長そうだ。


「これがほんとの面長、つって・・・」
私はピッチャーのカシスオレンジを飲み干した。


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