祖父と母
祖父の介護時代、母は積年の恨みつらみとともに日々の生活を送っていた。
ある日、祖父の片目から血が溢れ、なに?なにこれ??ってくらい大変なことになっていたらしい。母は慌てて祖父を病院に連れて行った。待合室にて、やはりそんな祖父の様子にみんなヒソヒソしている。ここは田舎の病院。
もちろん祖父は何があったのかなんて、説明しない。プライド高いから。
結局、医者に言われて観念した祖父曰く、畑仕事がしたかった。そして、お手製ビニルハウスの竹がしなって祖父のまぶたの二重のところに、見事にシュッとあたり、二重の通りに切れて出血していたらしい…
母は、「まぁたおじいちゃん余計なことして!いつまでも出来ると思ってんだよ!まるで私が虐待してるみたいに思われてさ!!ったく」と言った。離れて暮らしてる私としては、祖父が可哀想に思ったが、生まれてからずっと祖父と一緒にいて、やっと最近祖父が弱い立場になっただけで、長年の恨みつらみを抱えてる母からしたらイライラでしかなかったのだろう。
あ、そうそう。もう一つありました。ある日、祖父が車庫で転がってたらしい。祖父は野菜をずっと作ってたから、ニンニクを車庫の天井から吊るして干す事があった。それを椅子の上に立ち、取ろうとして、落ちたのだ…幸いケガはなかったが、母が通り過ぎるまで、黙ってじっと転がってたらしい。「余計なことして…」母は思った。
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