見出し画像

「記憶脳」読書感想文

『記憶脳』のタイトルから、「無限に記憶のできる魔法のような方法があるのでは」と期待を膨らませた。私は記憶力があまりないと思っていたからだ。
しかし、本書は私の予想とは違った。脳を鍛えることで歳をとっても脳を育てることができる。記憶したことをいつでも活用できる方法があるというのだ。

私はまずそこに驚いた。
記憶は時が経てば忘れていくのが自然なのではないか?20歳を境に、年齢を重ねれば記憶力が低下し、思い出せないことが増えていくのは自然なことと思っていた。
だから、自分が読んだ本の内容を忘れてしまうのも、仕方のないことだと。
そもそも、私は記憶力があまりないと思っていた。
こんなエピソードがある。
数年前、ある小説を読んで涙を流すほど感動した。それからしばらくして、ドラマで非常に感動して泣きながら見ていたエンドロールに、見覚えのある「原作」が…そう、私がすでに読んだ小説であった。読んだことを忘れ2回も新鮮な気持ちで感動していた。小説とドラマで原作とは多少違いがあれど、あらすじも覚えていなかったのである。なんとも虚しく、感動の涙も乾いてしまった。
本でこのような具合なので、仕事での研修も同様であった。一生懸命参加していたが身についていない感覚があり、「頑張っているのにどうして」という思いを抱いていた。それでも参加することで頑張っているつもりになっていた。

私があらすじも忘れたのは?研修が身につかないのはなぜ?

本書の中に、はっきりと書いてあった。
当時の私に教えたい。

ズバリ結論をいいますと、インプットが多い割にアウトプットが少ないのです。

56ページ

アウトプットが少ないどころではなく、全くアウトプットしていなかったのである。インプットこそが勉強であり、賢くなる方法だと思っていた。

現在、本書の中にある取り組みをいくつか実践して以前のような「忘れる」ことがなくなった。
主なことは次のとおり。
1.全体を俯瞰する「富士山記憶術」
本を読む前に、目次にざっと目を通し全体を把握する
2.気づき、思いを「書きまくり、メモしまくり記憶術」
読みながら気になったところは付箋を貼ったりアンダーラインを引き、余白に考えや思い浮かんだことを書いていく
3.読み終えたらノートに「殴り書き記憶術」
読み終えた後は、付箋やメモをざっと振り返りながらノートへ単語や文章を書いていく
これが頭の中の整理になる
4.感想をSNSに投稿する、人へ感想を話す「タイムライン記憶術」「いいね!記憶術」「とりあえず記憶術」
SNSには本の表紙の写真とともに気づき、感想をアップする。ほぼ毎朝参加している朝活で、仲間にアウトプットする。家族の中でも会話する。すると、SNSのリプライや会話の中で本の理解が深まり、関連する情報が知れたり新たな発見につながる。

このような取り組みで、読書が楽しくなった。
仕事の研修では、受けた研修内容をまとめた後、行動化する3つのTODOをあげて翌日から実践→翌月振り返りするサイクルができ充実感がある。

本書の内容に取り組むことの土台として気をつけていることは二点ある。

まず、睡眠を最低7時間以上取ることである。
6時間睡眠を続けると、10日目あたりから認知能力が低下し徹夜と同程度になるという。(134ページ)
記憶の定着には6時間以上の睡眠が必要とされている。
8時間睡眠をするととても調子良く過ごせるため、最低7時間以上の睡眠をこれからも心がけていきたい。
二つ目は、スマホとの距離の取り方である。
スマホは情報を得るには手軽で優秀なアイテム。スマホから世界に繋がり、情報量は膨大だ。流れてくる情報の波に飲まれスマホで何時間も過ごしてしまう…うっかりするとそんなことがある。情報は取りに行くもの。スマホを「使う」側でいられるようにしたい。

取り組み方を変えて、やり方によって人は変われることを知った。本を読んで忘れることは、もうない。
私は生きている限り、成長したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?