見出し画像

丁寧な手仕事は目線が高くなる

民藝という生活道具にひかれる。日本橋高島屋で催されていた民藝展をのぞいてきた。
土のぽってりとした感触の器。藁で丁寧に編まれた縁起物。機で織ったとわかる布。
どれもこれも職人さんの手の感触が伝わる。
地名を見ると冬は雪深いところや、青空が気持ちよさそうな南の方だったり。
一気にその風景が感じられるのも想像力が広がり楽しい。

会場に柳宗悦の書籍「手仕事の日本」から一文が抜粋されてディスプレイされていた。
その文がグッとくる。一つに「昔の格をどこか保っている点で、見直されるべきと思います」

実際に作られた職人さんがお品を説明してくれる。どれだけ手塩にかけ作り上げたのかを、そして使い勝手が良いことも知って欲しいということがひしひしと伝わる。
これが仕事へのプライドなのだろう。

使い込んだゴツゴツとした手で丁寧に作られた生活道具は使うたびに背筋がシャンとする。
そしていつしか道具に自分の時間が重なって唯一無二のものへ育っていく。
生活の中のその小さな緊張感と丁寧に道具を育てることが気持ち良いのだ。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?