LIKE WATER FOR CHOCOLATE

おはようございます。
今日もお元気でお過ごしですか?

先日素晴らしい作品に出会ったので、今日はぜひご紹介させてください。
英国ロイヤルバレエ団の本公演が中継配信されたときの映像を、映画館で鑑賞できるシリーズの最新作、「LIKE WATER FOR CHOCOLATE」
メキシコの小説が原作だそうで、その小説の邦題は「赤い薔薇ソースの伝説」です。
私、バレエが昔から踊るのも観るのも大好きで、特に英国ロイヤルバレエ団のシネマシリーズは毎回とても楽しみにしているんですが、今回はバレエ団の新作をシネマで鑑賞できるということで、さらにワクワクドキドキしながら拝見しました。

ざっと作品情報を紹介しますと、
原作→ラウラ・エスキベルさん(メキシコの女性作家)
振り付け→クリストファー・ウィールドン
音楽→ジョビー・タルボット

舞台はメキシコ。
とある家の世代をまたぐ大叙事詩を、料理、食べ物、そしてそこから炙り出される人間の奥の感情・欲求という切り口で紡ぎます。

バレエを鑑賞するときのオススメなんですが、よっぽどの理由がない限り、話の展開は事前に頭に入れておく方がいいと思います(笑)
というのも、バレエは台詞がありませんので、逆にネタバレを自分に許して役や展開を知った上で観る方が、振り付けや素晴らしいダンサーの技巧、演出、衣装、音楽などの見どころに意識が向いて感動できると思うのです。
なんなら詳しい人に見どころを聞いておいても問題ないくらい。
今回も事前情報をある程度入れて観に行ったのですが、それで正解でした(笑)
まず、この作品、登場人物が多く人間関係(婚姻関係)が複雑。
そして長い大河ドラマを全編踊りで見せるというより、お話の要所要所を摘んで一編のバレエ作品に仕上げたものなので、知っておかないとわからなくなるだろうなと思いました。
急にロデオガールが登場したりしますからね(笑)

シネマの日のメインキャストは、フランチェスカ・ヘイワーズとマルセリーノ・サンベ。
知ってたことですけど、本当に上手で、息もぴったりあった2人の踊り、素晴らしかったです。
特にフランチェスカはくるくる変わる表情が可愛いくて、これはシネマで観る人の特権だわと、嬉しかったですね。
マルセリーノは跳躍や躍動の人だという評価が多いと思うんですが、私はむしろ彼の静の部分を前から評価していて、今回も静かな場面、激しくない動きで粘りながらむっちゃ難しい技巧を魅せる抜群の安定感(とんでもない体幹)、流石でございました!
他のキャストも本当に光り輝いていて、改めてこのカンパニーのバレエ、アートにかける情熱を目の当たりにして感動しました。

音楽もメキシコの雰囲気たっぷりギターやパーカッションがオケの編成に組み込まれていて、とても聞き応えがありました。
主役の女の子、ティタのテーマのメインサウンドはオカリナだったんですって。
柔らかくて素朴な音色がティタにぴったりでした。

一方、彼女の可憐な容姿に閉じ込められた欲求や不満、不安定さ、一途に幼馴染を思い続ける真の強さを表していたのは振り付け。
クリストファー・ウィールドンさんは人間の奥のところをモーションに映し出すのとても上手いなと思うんですが、今回もフレックス(バレエ的につま先を伸ばさない)の足や、膝や関節をバレエらしくない方向で曲げたり、おさげに結った髪で首を縛ったり、目を見張る振り付けばかりでした。
パドドゥもたくさんありましたが、男女の肉体、精神の結びつきを現す瞬間の連続で、どれも素晴らしかった。

いつか生で鑑賞したい作品がまた一つ増えました。

みなさんはバレエご覧になったことありますか?

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