資本主義社会に生まれて

とある商社の営業さんと、酒の席にて。

「訊きたいんですけど、若い人は何に興味あるんですかねぇ」

「まぁ、僕もそこまで若くないですけどね」

「お酒飲まないでしょ?」

「ええ」

「まぁ、飲む必要も無いと思いますけどね。煙草も吸わない?」

「吸いませんね。韓国でも、健康志向が強くなってきたらしくて。若い人は吸わないらしいです」

「へえ。じゃあ、滅茶苦茶女好きとか?」

「興味ないです」

「好きなテレビは?」

「テレビ持ってないです。でも、最近はサブスクとかYouTubeが観られればいいってことで、モニターだけ買う人も多いんじゃないですかね」

「そうですね。私の息子も休みの日はAmazonプライムビデオで鬼滅見てましたよ。車は欲しいですか?」

「運転嫌いなので、いらないです。しかも車って、買って終わりじゃないですからね」

「都内だと、駐車場だけで家賃くらいしますからねぇ。そこに保険料、車検費、ガソリン代……。まぁ高いですよね」

「ええ」

「サッカー好きですか?」

「スポーツ嫌いです。筋トレはしてますけど」

「ゲームは?」

「しないです」

「パチンコとか?」

「ギャンブルやらないです」

「何か好きなこととか無いんですか?」

「本読むくらいですね」

「それはいいことだと思いますよ。とにかく、私の知ってる若い人もそんな感じで、皆何に興味あるのかさっぱり分からなくて。酒も飲まない。煙草も吸わない。女に興味ない。ギャンブルしない。一体何してるんだろう、って全然分からないんですよ」

いや、単に金がないだけでしょ。

やらないんじゃなくて、出来ないんじゃないかな。

そう、何をするにも金がいるのだ。

結局、世の中金なんだから。

若者の◯◯離れ?

若者が離れてるんじゃなく、金が若者から離れていってるんだよなぁ。


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