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桑田佳祐と3曲の 「I Put a Spell on You」

「I Put a Spell on You」は スクリーミン・ジェイ・ホーキンズが1956年にリリースした曲。 1984年のジム・ジャームッシュ監督映画「Stranger Than Paradise」に使用され再度脚光を浴びる曲となった。



Screamin Jay Hawkins / I put a spell on you (1956)
変な人↓↓


1966年でも変な人↓↓


映像をご覧の通り、かなりの奇人変人。 この鬼気迫るクレイジーさはデビュー当初の桑田佳祐をも彷彿とさせる。


そして、桑田佳祐におけるこの「I Put a Spell on You」からの影響。
1曲目は「稲村ジェーン」収録の『マンボ』。
まず前段として1990年桑田佳祐監督映画「稲村ジェーン」について語ろう。

桑田佳祐
①「映画のとっかかりですが、1988年の秋、コンサートで名古屋から帰って来る時の事です。新幹線の車内でグリーン車に置いてある雑誌を読んでいたんですね。それをパラパラめくっていたら、ほんのわずかなスペースに、稲村ヶ崎で“伝説の大波”を待っている男がいるって話が出ていたんです。」(1990年)

桑田佳祐
③「その、内緒だけど紅白歌合戦をテーマにした映画。ただその映画の製作費をおおまかに計算してみたら 20億円以上かかっちまうのよ。初めて監督をやるやつに20億ってキツすぎるから、違うアイディアを、 という状況だったんですね。」(1990年)

桑田佳祐
④「(①の)記事には確か写真が付いてて、松の木かなんかがテレーッときてて、いかにもひなびてたよ。何となく波の話とか湘南の話とか非常に地元の嗅覚で俺なりに、これは安そうだなと思ったのです。これなら予算5千万円でいけるな、なんてね。最初はその位の単館上映規模の映画の予定だったんですよ。」(1990年)

桑田佳祐
⑤「最初は『ストレンジャー・ザン・パラダイス』みたいな地味な映画を目指してたからね。主人公同士がお互い名前を呼ばないような。ただ淡々とワンカットで続くみたいな日常映画。ところがさあ、ふとした拍子に盛り上がって、話しをガンガン変えてしまったわけ。」(1990年)

桑田佳祐
⑥「それで映画は『ストレンジャー・ザン・パラダイス』に始まって、一部『ブルース・ブラザーズ』を経過し、最後には『未知との遭遇』みたいになったりしちゃって・・。」(1990年)

桑田発言はここ↓↓からの抜粋


上記の通り、桑田監督の撮影前には『ストレンジャー・ザン・パラダイス』 のようなモノクロの低予算映画を構想していたようだ。 そして映画「稲村ジェーン」のオープニングテーマは『マンボ』であった。

桑田佳祐
「これも結構最初のころに作った曲。映画『ストレンジャー・ザン・パラダイス』のオープニング曲にヒントを得て作ったんですけど、ちょっと違っちゃったかな。ザラついた、ざっくりとした感じのストーンズのりの曲。」(1990年) 

結構違いますよねw
「Stranger Than Paradise」オープニング映像↓↓



2曲目は2002年の桑田佳祐ソロシングル『東京』。
これこそ『I Put a Spell on You』テイストたっぷりの曲。
同年のアルバム『ROCK AND ROLL HERO』のサウンドは 「THE BALDING COMPANY(ザ・ボールディング・カンパニー)」というバックバンドを従えた1960〜70年代のロックバンドテイストを強調したもの。
サウンドコンセプトを考えると1968年のC.C.R.(Creedence Clearwater Revival /クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル)のヴァージョン。ギターソロがカッコいい。


3曲目はサザンオールスターズ  2005年アルバム「キラーストリート」に収録の『殺しの接吻~Kiss Me Good-Bye〜』

桑田佳祐
「松田弘のオールド・ラディックのドラム、関口和之の買ったばかりのマーチンのアコースティック・ベース、斎藤誠君のギター、島健さんのピアノ。 この4人のバッキングを主とした、大好きなニーナ・シモンをイメージしたマイナー調のジャズ。」(2005年)

アルバム「キラーストリート」ブックレットより


Nina Simone / I Put A Spell On You (1965)


それにしても桑田さんこの曲好きやねえ~

<2024.06.06記>

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