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最近の短歌 7

2024/06/04-07/17

この傷は勲章だからこれからも増えるだろうね タンクトップ着る

ああまただ言わなきゃよかったことばかり増えて肩身を狭め続ける

人のため祈ったことは初めてで人は最終祈るしかない

BOOKOFF大量入荷エモすぎるきっと誰かの生きた証だ

居場所など初めからなく自らで作る力もおれになかった

マスカラのウォータープルーフ落とさない悲しいくらい強くなりたい

見返りを求めてしまうから愛の域に達していないとわかる

泣くと息しにくい生きにくい憎い憎いあいつら死ぬほど憎い

「夏の夜の匂いがする」これがわからない人とは分かち合えない

熱唱のレベルで歌う君を見ているだけですよここがアリーナ

独特な比喩表現がいいねって言われたほんとはあなたが好きだ

簡潔に述べられなくて声が好き顔が好きってだらだら話す

人生がばかばかしいと嘆いても人生はばかばかしいままだ

「(君以外)全員死ねばいいのにな」僕らはいつも言葉足らず

月を見て歩いていたらこけちゃった。だってほんとに綺麗で痛い

死んでます お香を焚いているあいだ灰も煙も時間も全て

「知りたい」は墓荒らしになる可能性ゼロじゃないけど大丈夫かい

失恋を前提とした恋だからいつもそういう歌を聴いてる

好奇心って傷つけるためにあるものだと思い生きてきました

お別れの歌で君とのMVを作ってしまい、こういうところ

オレンジに縁取りされた雲どこへ行くのでしょうか夏の夕暮れ

弱ってるところを狙って撃ってくれもう十分に疲れてんだわ

浅瀬でも死ぬときは死ぬらしいから気楽に呪えくだらねぇ世を

どうやってこの人たちはカップルになったのだろう歩幅が違う

食べたって意味がないのに食べちゃうし意味がないのに生かされている

ほぼ空気みたいなポテトチップスのように寂しいですね毎日

輪郭がはっきりしだす夏ですね君の輪郭だけが朧気

「そうやってまたふざけてる」だってふざけてないと涙が出てしまう

あぁ煙、煙になってしまいたい。ゆらゆらともういいやって消えてしまいたい

間違ったまた間違えた取り返しつかないくらいあまりに人生

いいよなあみんな頼れる人がいて傘を盗られて土砂降りの鬱

皆の言う普通ができず皆の言う普通以外が容易くできる

何処へでも行けるロープがここにあり君ならどこへ行くのだろうか

タクシーの運転手さん今日暑いですねなんだか死にたいですね

胸に海 潮騒うるさいいつまでも子供の俺が泣き叫んでる

いろはすを握りつぶして水浸しそんなつもりじゃなかった連続

足りないと思ってしまう足りないと思ってしまう足りないと思

悲しみは涙によって流されて虚しさだけが残ってしまう

叶わない夢の話をいつまでもしていたいなあしていたいなあ

飲み忘れしてないようなしたような十二の錠剤日々に溶けてく

傷付ける手段としての短歌なら私あなたに教えてないよ

マリンという名前のお香焚いている私の部屋が海となる暮れ

母親を題材とした本を読む深夜二時過ぎコインランドリー

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