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降水確率0%の通り雨4《君の雷雲 僕の離脱性体質》4

玄関まで母とあいすが見送りに来てくれた。あいすと母が並んでも普通に親子に見える。僕とあいすの容姿は、従兄弟よりも兄弟、それも一卵性双生児に間違われるくらい似ている。唯一違うのが髪の毛と目の色。僕は、白銀色の髪に青い目、あいすは髪も目も赤い。それがなければ、きっと入れ替わってもわからないだろう。
「何考えてる?」
「んーあいすのこと」
正直に言うと、
「俺のことは?」
と返ってきた。どうしたんだろう、と思いつつ
「いつも考えているよ?」
とこれも正直に言う。だって君の進路のことも、卒論の事も何一つ話してくれないよねって、不満に思っていたから嘘ではない。
「僕の事ばかり話していて、肝心な君のことは何も話してくれない。そんなに僕って頼りないのかなって、毎日さびしく思っているよ?」
「すまん。まだ形になっていないんだ。だから話せないでいた。寂しくさせたのならすまなかった」
たけるはそう、真剣に謝ってきた。
「形?」
「納得のいく形になったら必ず言う。いや、絶対に聞いてほしい。だから、もう少し待っててくれるか」
「うーん、できればその開発途中?のところに参加させてほしい気もするけど、たけるのこだわりもあるんだろうし。わかった、じゃ、出来上がったら真っ先に教えて!約束!」
「ああ」

駅に着いたので電車を降りる。涼しい車内からホームへと出ると、夏休み中だからか、人は多くない。
(もうしばらくすると、また、いつもの光景になるんだよね、いつもの光景?待って、いつもの光景って記憶にあるわけ、、)
ずきっ
「痛い!!」
頭が、頭が割れそうだ。思わずしゃがみむ。立っていられない。
「あきら!!おい!!」
大丈夫かの声が遠くに聞こえる。
がんがんがんがん
いたいいたいいたいいたい
リストバンドの下のブレスレッドが熱くなる。
ー危険信号・危険信号・危険ーーー
息ができない、ナニコレ、魔よけが反応している
魔よけ、魔よけ

『これは、魔よけにもなるんだって、なら私の魔も封印してくれるかな~』
『はは、そうかもな。気に入ったならそれにするか』
『うん!あきつもそれでいい?』
『もちろん、とても気に入ったわ』
『ふふ、お揃い』
『俺からのプレゼントだからな、忘れるな』
『うん、ありがとう、大切にするね』
あなたがうれしそうに笑っている。プレゼントをもらってうれしいのは私なのに。あなたの方がうれしそう。
どうしてかな

固い床の感触を背中に感じる。この気温だ、地面に近いところは熱せられたように熱い。それでも、ここは日陰でまだましなのか。頭を動かさないで、遠くから声がする。
「あきら、あきら、しっかりしろ」
ずっと声がきこえてる。だいじょうぶ、でも声が出ない。
「もうすぐ、救急車が来る、大丈夫」
ふふ、大げさだな、ちょっと頭が痛くて、それだけだよ。
あいす、あいすがデータ化してくれた記憶、もどったよ。
そしてそれは、僕の力が解凍へと向かった証拠。
そんなことできるのは、
僕はゆっくりと起き上がる。
「駄目だ、起きるな」
「たける」
たけるがはっとする。
「今度こそ本体のお出ましだよ」
「ああ」
周りの風景画が変わる。
無数の同心円が描かれた空間の中央にいるのは

迎えに来たよ




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