バルコニーの防水工事について
先日、新築を建てたばかりの友人から『屋上でBBQがしたい。撤去が難しい机やイスを置いた場合、メンテナンスの時に困るか?』という質問を受けました。
※搬入はクレーンを使うらしいです。
・・・もちろん職人さんは困ります。
ただ、バルコニー防水(屋上も)がどんな仕様で施工されているのかがポイントになりました。
振り返りがてら今回はバルコニー防水について語りたいと思います。
防水工事とは?
この業界に入りたての時、防水工事という聞き慣れない言葉に困惑したのを覚えております。
防水工事は戸建てで言うと主に、バルコニー防水を差すのですが、当初は『バルコニー工事で良くない?なぜ防水?』と疑問に思っておりました。
今の認識としては、「雨水が流れにくい緩勾配、または水平部分に施す防水処理をする工事」と覚えております。
つまりは陸屋根も当然含まれます。
防水工事の種類
1.アスファルト防水
一番古い歴史を持つ防水。
世界ではインダス文明、日本では1700年代。
名前の通りアスファルトを使った防水で、現代では何層かに分けて施工し
ます。
学校や公共施設の屋上など、広い範囲を施工する際に使用される工法
ですので、戸建てではほぼ見かけない。
・・はずなのですが、実家がこの工法だった気がする。。。
動画とか見るとでっかい機会が必要な場面や、火力が求められる工法があ
りましたので、確かに戸建ては向いてないと思いました。
実家は今度帰った時、しっかり見てみます。
2.シート防水
合成ゴム、合成樹脂などの合成高分子を素材としたシートを接着剤で下地
に固定していく工法。複雑な形状は施工ができない。日本では1950年ごろ
から普及。
戸建てのバルコニーにで使っているところを調べたのですが、あまり検索
ヒットしませんでした。
何となくですけど、小面積のバルコニーに施工するのは非効率の気がした
ので、そのせい?何度も歩くと傷つきやすい?
機会あれば歩いてみたいです。
3.ウレタン防水
ポリイソシアネートを主成分とする主剤と、ポリオールを主成分とする硬化剤を、撹拌して塗膜する防水法で、下地の形状に馴染みやすく、水塗るだけで防水層を形成する工法です。日本では1965年ごろから普及。
特にこれといったデメリットもなく、どんな場所でも、既存防水の上からも塗れるというメリットを見て、『あれ?もう全部これで良くね?』と思いました。
ただ、工期がFRPよりかかる事と、臭気の問題もあり、木造住宅への採用はやはりFRPが適しているようです。(主観)
4.FRP防水
戸建てバルコニーの使用率が高い。(我が家もこれです)
液状の不飽和ポリエステル樹脂に硬化剤を加えて混合し、この混合物をガ
ラス繊維などの補強材と組み合わせて一体にした塗膜防水で、1日で施工
が完了します。
この短工期が木造には嬉しいですね。
完成した特徴としては硬い、という点です。
使用頻度が多い住宅のバルコニーにはまさに向いてますね。
日本で普及が1980年ごろから始まり、約40年と歴史が浅いですが、
品質改良、施工方法の画一化、下地が動いた際の防水層への理解を得るた
めの論文の数など、先駆者たちの苦労がほんの一瞬調べただけでも垣間見
えました。深いですねぇ。
5.金属防水
名前の通り、耐久性のあるカラー鋼板等を用いて下地を覆います。
栄住産業さんの『スカイプロムナード』が有名で、検索するとほとんどこ
の商品がヒットします。特徴は何といってもメンテナンスフリーでしょ
う。
価格が少し高いってのと、勾配をFRPよりもとる必要があるのがデメリッ
トでしょうか。
パラペットの立ち上がりを失敗しないように現場で気を使った経験があり
ます。まぁお施主様にはほぼ関係ないですね。
あと歩くとちょっとベコベコします。(私の体重が重いからかも)
メンテナンスについて
メンテナンスって言葉、個人的に嫌いなんです。何したらいいかはっきりしないんで。
防水工事のメンテナンスはトップコート(塗膜)の補修を意味します。防水層は太陽光に弱いので、それをトップコートが守ってくれているのですが、10年以上風雨に晒されるとさすがに劣化しますので、塗りなおしましょう、という感じです。
↑でお話しした2~4の工法はメンテナンスが必要です。
FRPなんかはDIYで補修できるとネットにもありましたが…動画見るにちょっと私でもしんどいかな~。
プロに任せたいところです。
結局友人の家は・・・
FRP防水でしたので、メンテナンス必須でした。ただ、動かせないほど立派な椅子や机も10年経てば同時に寿命じゃないかと、『メンテナンスの時にぶ解体せよ』とアドバイスして無事に(?)終わりました。
どうせ作った屋上なら楽しまないと損ですしね。
最後に
記事を書くまでは『防水工事』なら、さくっと書けるだろうと高を括ってました。まぁ調べると知らない事が出てくるわ出てくるわ。奥がほんと深いですね。
もちろん、私の記事以上に画像付きで大変わかりやすくまとめられているサイト、記事がたくさんありました。ほんと勉強になりました。
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