しいたけ賞(仮)その5 毒素擬人化小説《ウミヘビのスープ》 〜十の賢者と百の猛毒が、寄生菌バイオハザード鎮圧を目指すSFファンタジー活劇〜 ……これは万能薬に至るまでの、長い道のりを記した物語である 作者 天海二色様

本編URL

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前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的感想です。
例えそのような内容であろうと、作品の価値を定めるようなものではないことは予めご了承ください。

あらすじ

 西暦2320年、世界は寄生菌『珊瑚』に蝕まれていた。
 感染した者は異形となり凶暴化し、生物災害【バイオハザード】を各地で引き起こす。
 災害を鎮める切り札は毒素を宿す有毒人種《ウミヘビ》。
 ニコチンやタリウム、塩素など、一人につき一つの毒素を持つその《ウミヘビ》を管理する研究所に、奇縁によって入所する事になった医師モーズ。
 彼はそこで《ウミヘビ》の手を借り寄生菌の特効薬を探究することになる。

 これはモーズが、万能薬『テリアカ』を作るまでの物語である。
 ……そして個性豊か過ぎるウミヘビと、同僚となる癖の強いクスシに振り回される物語でもある。

ストーリーとかについて

感染したものを異形と化してしまう寄生菌『珊瑚』との戦い(?)を主軸としたストーリー。
主人公は医者で、『ウミヘビ』と呼ばれる毒素を元にした人達と協力して戦う……的なお話。

つまるところゾンビパニック+能力バトル的なアレ。
登場するウミヘビ諸氏は元となった毒素を元にした能力を使い、性格に関してもそれっぽい(?)ものとなっている。

取り敢えず14話まで読んだ印象としては、些か情報量とキャラクターが多いのが気になるところではある。

とはいえ作者さんの文章が上手いのもあってか、理解自体はしやすい。情報が零れることもなく、何をしようとしているのかもそれなりに理解はできる。
なのだがまぁ、少しばかり詰め込み過ぎ感があるのは否めないだろう。

ストーリーに関しては現状では良くも悪くも、といったところ。
割とキャラクターを中心に書かれているような気もするので、そちらに興味を持てないと些か厳しさがあるかも知れない。

キャラクターとかについて

ビジュアル的に書かれている印象は受ける。

最終評価(極めて個人的な感想)

文章

文章はかなり読みやすい。
用語が頻出する作品ではあるが、ちゃんと理解しながら読み進められるのは確かな強みの一つ。

キャラクター

読んだ分量の割にはキャラクター数が多いといった印象。
全体的にどういった感じの人物かは把握しやすい。
反面、厳しいことをいうならこの時点でそれなりにインパクトのある人物の一人か二人は欲しかったところではある。

構成

ちょっと詰め込み過ぎ感がある。
とはいえ、その辺りはキャラクターを優先した結果でもあるとは思うので案とも。

設定

毒を元にしたキャラクターなど、独特(毒だけに)の世界観は魅力的。
今後も色々な毒素を元にしたキャラクターが登場すると考えると、楽しみな要素ではある。

総評

最序盤を読んだ限りでは、些か情報量が多い作品といったところ。

キャラクター数も多いのだが、文章が読みやすくスッキリとまとまっているのでその辺りで混乱しないのはなかなかに巧い。

なのだがまぁ、個人的には最序盤ということもあってかもう少し主人公の活躍を見せてほしかったというのが正直なところではある。

バイオハザード的な要素や毒を元にしたキャラクターなど、作品として独自の光る部分が強く、今後その辺りが強く発揮されることに期待したい。

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