しいたけ賞(仮)短編部門 その6 毒舌令嬢はいじわる王子に愛を告げたい 作者 三屋城衣智子様
本編URL
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前書き
この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的感想です。
例えそのような内容であろうと、作品の価値を定めるようなものではないことは予めご了承ください。
あらすじ
侯爵家令嬢レテオリエ=シュッテン、愛称はレッティ、貴族の通う学園に通う十七歳。
学園卒業まで残りわずかのある日、欲しがりの従姉妹に誘われて街の占い屋へと行くことに。
そこで怪しげな占い師に占ってもらったら、どうしたことか、思ってもないことを学園で言うようになってしまって……。
従姉妹はレッティの婚約者である王子に気があるようだし、ツンツンした物言いに周りがどんどん敵になっていく。
ああもう、どうしてこの口ったら言うこと聞いてくれないの……!
全ては王子がひっくり返す?!
奪いたい従姉妹の思惑に、負けない分厚い想いで挑む物語。
ストーリーとかについて
素直になれない貴族令嬢が、占い師に言葉がツンツンする呪いをかけられてんやわんやといった感じで送られる短編恋愛小説。
内容としてはあらすじを見てもわかる通り、女性向け?女の子向け?まあとにかく可愛らしいような内容となっている。
いってしまえば三角関係の縺れ的なあれではあるのだが、あらすじを読んでもなんとなく伝わってくる通り、全体的に柔らかく可愛らしい雰囲気で進行していくため悲壮感はほぼない。
いい意味で少女漫画的(?)なストーリーをなぞっており、最後はいい感じに愛が勝ってくれるので安心して読むことができる。
短い中でストーリーは綺麗にまとまっており、書きたいこともしっかりと書けている印象。
分量的にはちゃんと読み応えもあり、結末も柔らかいところに着地してくれているため読後感もいい。
甘さとちょっと奇妙な味わいが同居した不思議な短編小説。
キャラクターとかについて
基本的には悪くはないのだが、ツンツンになる前のヒロインと相手役との関係性をもう少し書いてくれてもよかったのかも。
最終評価(極めて個人的な感想)
文章
文章は柔らかい雰囲気が上手く出ていて読みやすい。
言葉選びなども秀逸で、ちょっと虐めっぽい描写もあるのだが作品の空気を壊さない程度に柔らかく表現されている。
キャラクター
全体的に悪くはなく、コントラストははっきりとしている。
なのだがラストの王太子のあれこれはちょっと唐突感があるかも。まぁ、あらすじに書いてあったしいいか……。
ライバル?悪女役?のチュチュは序盤から飛ばしていていい性格をしている。
構成
綺麗にまとまってはいるが、王太子の変人感をもっと序盤から出してくれていた方がよかったかも。
後半にちょっと詰め込み過ぎ感があるのは否めない。
設定
呪いによりツンツンしてしまい、それでも愛は変わらずという設定は可愛らしくて面白い。
総評
綺麗にまとまった、少女漫画風の短編。
ストーリーはしっかりとしていて、読み応えがある。
キャラクターに関してもちゃんと役割が分かれていて、把握しやすい。
全体的に上手くまとまっており、オチも程よいところに着地してくれているので読後感も悪くない。
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