しいたけ賞(仮)その12 魔縫少女チートフルちあき 作者 七海 司様

本編URL

https://kakuyomu.jp/works/16816927863257831223

前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的感想です。
例えそのような内容であろうと、作品の価値を定めるようなものではないことは予めご了承ください。

あらすじ

魔法使いが現れた現代社会。
魔法使いや魔道具が用いられた魔法犯罪が生活を脅かしていた。

魔法犯罪のない生活を取り戻すため、たった一つの呪文を武器に立ち上がった魔法使いの物語。
魔縫使い 千秋。すべては贖罪のために。
魔法鍵士 璃緒。偉大なる友の隣に立つために。

彼らは世のため自分のために今日も奮闘し、魔道具の回収に勤しむ。

ストーリーとかについて

魔法少女が魔道具と呼ばれるアイテムを回収するために戦うお話。

早い話が魔法少女ものなのだが、特徴としては主人公は変身する前は少年ということだろうか。
つまりはTSものだ。いいねぇ、おじさんそういうの好きよ。

他にもタイトルにあるように、魔『縫』少女であったり、それ以外にも言葉遊び的な要素が数多く取り入れられている。
その辺りに関しては人にもよるが、お洒落で個性的な感じが非常に良き。

で、肝心の作品としてはこれがまぁ……面白い。

面白いのだが、手放しで褒められるかというとちょっと話が変わってくる。具体的には14話から面白い。
作品の味も出てきているし、主人公がしっかりと活躍しているからだ。

逆にそれまでは絶妙な説明不足、主人公の影の薄さ、ストーリー展開の何ともいえなさとなかなかどうしてというのが正直なところではある。

勿論裏を返せば14話で話にある程度の芯が入ってからは、一気に評価を覆したともいえる。
文章的にもその辺りからは余計な力が抜けて、とても読みやすくなっていく。

そういったいい部分があるからこそ、余計に序盤のちょっとしたごちゃつきが個人的には勿体ないなぁと、そんなことを思ってしまう作品。

キャラクターとかについて

話が進み、人物像が見えてくると割といい感じに可愛らしい。
なのだが、できれば序盤でそれらをしっかりと見せてほしかったところではある。

最終評価(極めて個人的な感想)

文章

途中から視点がある程度固定されてきて読みやすくなるが、序盤はあちこちに飛ぶので結構読みにくい。

特に……これはまぁ、演出としてやっているので一概に悪いわけではないのだが、急に一人称視点に変わったりするのも個人的には混乱の元。

何度もいうが、14話ぐらいからは余計な力が抜けてきて、大分読みやすくなってくる。

キャラクター

しっかりと個性が立っていて、わかってくれば親しみを持ちやすい。
なのだが、序盤からどうにも読者を置いてけぼりにしてる感は否めない。

構成

まぁ、うん。
あんまりよくはない。
特に最序盤に関してはどうにも、置いてけぼり感が尋常ではない。

演出として敢えてやっているところはあるのだろうが、どうにもそれらがノイズになっている感は否めない。
出来ればもう少し主人公など、大事なところに焦点をあててほしかった。

設定

作品としてはワクワクさせてくれるところは多い。
多いのだが、どうにも説明不足。
なんだかよくわからないままに話を読み進めることになる部分が多く、どうしてもそれらがノイズになっている印象。

総評

これはあくまでも個人的な印象だが、序盤で損をしている作品といったところ。

ストーリーの方向性とか、見せたいものがごっちゃりしていてどうにもまとまりがなく、読んでいてこの物語のどの部分を楽しめばいいのかが今一不明瞭。

14話で初めて変身してからはしっかりと盛り上がれるし、ストーリーに芯も入ってくる。
その後のインターバルも各キャラクターの魅力が見えてきて面白いものとなっている。

確かな魅力がある作品といっていいだろう。





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