しいたけ賞(仮)その48 Life『家出はティータイムの後で』 作者 るなるな様
本編URL
https://kakuyomu.jp/works/16818093076441894812
前書き
この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的感想です。
例えそのような内容であろうと、作品の価値を定めるようなものではないことは予めご了承ください。
あらすじ
森林に隠された、とある村の外れ。
そこには姉妹と、従者、司書の四人が暮らす屋敷がそこにあった。
主のルッカと、メイド長のセッカ。司書の氷雨に……とある事情で軟禁されていた妹の『フィリア』。
そんな屋敷に一人の旅人が、森の中に迷い込んだ。
『物語』は進み、五人が暮らす屋敷となってから数ヶ月後、妹のフィリアは、屋敷の地下から出て、得ることのできなかった知識を、執事となった元旅人の執事『月詠夢』と『平穏な日常』と共に知っていく。
そんな日常の最中、フィリアはある一つの夢が出来上がった。
それは、『外の世界』を知ること。
もっといろんな事を知りたい。もっと色んな経験をしたい。
そんな願いを求めて、屋敷の外に出ることを姉であり、屋敷の主でもあるルッカに願い出るが、その願いは断られてしまう。
それでも諦めきれないフィリアを見て、月詠夢は言った
「お嬢様、僕と一緒に家出の説得をしませんか?」
──カラカラカラ……
「あら、久しぶり」
「前と音が違うって?まぁ、今回は私の『能力』で会話をしているから、こうなっているの」
「それにしても、あの子は本当に面倒くさい事をしてくるわね」
「説得をするなんて言ってるけど、何をされるんでしょうね」
「ふふ、楽しみだわ」
──カラカラカラカラ……
これは、『向き合っていく為の物語』
ストーリーとかについて
幻想的な世界を舞台にしたファンタジー小説。
こちら同作者さんの別作品の続編となっており、一応最初に簡単な解説やキャラクター紹介などが載っている。
とはいえ、特に理由がなければ前作から読んだ方がいいような雰囲気にはなっている。
物語としてはまぁ……うん。
正直なところをいえば、下読みの時点ではストーリーが殆ど始まってもいないのであまり語るところがない。
キャラクター同士の関係性や掛け合いにかなり力が入っているように見え、ちょっとしたやり取りからお互いに対する気持ちや感情などが見え隠れするのが特徴的。
物語としてはヒロインの女の子が目覚め、登場人物達と交流しながら彼女自身の課題やそれぞれの関係性を表していくといった感じの内容。
特に今後何かが起こりそうな予感をさせてくれるような会話が交わされることが多く、そういった意味では先の物語に対する期待感は強い。
そういった意味では序盤の流れとしては悪くはなく、適度に物語の雰囲気を語ることができているといっていいだろう。
また魔術や魔法など、この世界を構成するファンタジー的な要素に対する解説もかなり多く、その辺りの設定が好きな人ならばより楽しめるような作品となっている。
なんにせよ、今後に強く期待が持てる物語。
キャラクターとかについて
キャラクター同士の関係性を見せるような会話が多い。
また造形には相当に力が入っていることが見受けられる。
最終評価(極めて個人的な感想)
文章
描写や設定に関してはかなり書き込みがされているので、そういった作風が好きな人になら強く刺さるであろう文章となっている。
キャラクター
今のところはまだ顔見せといったところ。
キャラクターに対する愛情のようなものは感じられる書き方になっている。
構成
細かな日常がしっかりと書かれている反面、物語の進みは遅め。
設定やそういった描写、やり取りを楽しめればといったところ。
設定
世界観にしてもキャラクターにしても、かなりしっかりとした下地が見え隠れしている。
そういった部分が今後どのように物語に関わるのかが楽しみなところ。
総評
独特で何処か美しい世界観や設定が胸を打つファンタジー小説。
特に描写はかなり丁寧で、読んでいて作品世界がかなり鮮明に見えてくる。
キャラクター同士のやり取りも印象的に描かれており、お互いへの感情が見え隠れする会話劇は読んでいて面白い。
物語の立ち上がりは遅めだが、だからこそ続きを強く期待できる物語となっている。
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