Web小説発掘記 その249 欠陥人間対処法 作者 XX様

本編URL

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前書き

この記事は作品のネタバレを含みますのでご注意。
こちらの記事はあくまでも筆者の個人的意見です。
評価の基準としては200円~700円前後の書籍を購入し、読んだものとして付けさせていただきます。そのため基本的には厳しめとなります。

あらすじ

あるとき、担任教師が生徒をいじめ殺す事件が発生した。
担任教師が、自分の受け持ち生徒を自ら自殺に追い込んだのだ。
その教師は民事で損害賠償を請求され、そしてその職も失った。
信じられない事件だったが、その対処は迅速。
それだけなら、ただの酷い事件。
しかし後日、その担任当人が事件の真相をSNSで暴露し。
それが切っ掛けになって、最終的に新しい法制度が出来たのだ。

ストーリーと見所

もし、絶対に虐めを許さない社会になったら……というもしもを描いた短編小説。

一人の少年を自殺に追い込んだ男性教師のSNSによる独白から物語は始まり、それをきっかけにタイトルにもなっている『欠陥人間対処法』というなんとも許されない名前の法律が出来上がった社会のお話となっている。

自殺した少年は所謂虐めっ子というやつで、それを社会が裁かないのでその教師が虐めるという形で裁いたというのが事の真相。

欠陥人間対処法によって、虐めを行った人間は学校で教育を受けるどころか殆ど人間として生きる権利すらも失い『欠陥人間教育学校』へと送られるというなんとも恐ろしいお話。

当然虐めの冤罪を掛けようとする生徒もいるのだが、それに対しての対策もしっかりとされてはいる模様。

前半はそれらのお話で、後半は実際に送られた人物がどうなるのかが書かれる。
その人生はかなり悲惨なものとなり、虐めに対して重い代償を支払うことになっている。

などと、世の中でも何かと話題になる虐めをテーマにした作品である。

キャラクター

五味山

後半の主役(?)
クラスメイトから無視されていると嘘を吐き、逆に彼に対して『欠陥人間排除許可申請書』なるものを突き付けられて施設へ送られる。

そこでの生活はまさに凄惨であり、施設を出てからもまともな人生を歩むことは許されず、彼の行いに対しての重い代償を支払うことになった。

総評

評価点

虐めに対する法律や、それを破ったものがどうなるかなど虐めを徹底的に悪として裁くある種の爽快感がある物語になっている。

また虐めを根絶しようとする社会の様々な部分がよく書けている。

問題点

特になし。

最終評価 53点(Web小説としては充分な良作)

虐めをテーマにし、それの根絶を描いたなかなかに切り込んだ作品。

虐めをなくすためにはこのぐらいのことをする必要があるという強い意識が感じられる。

また軽い気持ちでした虐めにはそのぐらいの代償が必要なのかも知れないと思わせるような作品。

所要時間は凡そ3分ほど。


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