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19.引き際

しまやです。
今回は今季予算審議中のボーダーについて書く予定でした。
しかしこんなニュースが出たらこっちを書かずにはいられません。



しまやがギャルソンの次に大好きなDries。
「アントワープ6」の一員で、長きにわたってあくまで自己資金の範囲内での独自路線を貫いていました。
近年はスペインのPUIG傘下に入り、コスメやフレグランスなどもリリースしています。

控えめだけど華やか、上品だけどお高くとまった感じもなく、遊び心もあって…全てのバランスが絶妙なのがドリスです。
極端なシルエットやロゴドンが全くなくても、独特のカラーミックス、ため息が出るほど美しい刺繍で、インフルエンサーとか意味のわからないアンバサダーに頼らず(ドリス自身がそういったものを嫌うのもありますが)多くの服好きを虜にしているメゾンです。
しまやも少しづつ集めて一人ほくそ笑みながら楽しんでおります。
ドリス本人も色気があって素敵なんですよね〜

ドリスのショーは印象的なものがいくつもあって、100回目のショーとなった2017-18A/Wはプリント(アーカイブ)がらしさ全開で素晴らしかったし、

柄かわいい!
レイヤードよき!

2015S/Sの苔生した秘密の森のような多幸感あふれるコレクションも記憶に残るコレクションでした。

このコレクションはボーダー多めで楽しかった
このフィナーレは本当に良かった

最新の2024-25A/Wはメンズ/ウィメンズ共に美しく仕立てられた緩やかなシルエットが…ああ美しい。
色味も素敵!

パステルカラーが綺麗
メンズはシック



正直まだドリス自身のコレクションが観たくはあります。
でもコレクションのために妥協なく情熱を注ぎ、メンズが終わればすぐウィメンズ、そしてまたメンズの準備…モチベーションとクリエイティビティを持ち続けるのは相当なものです。
そうやって完全燃焼したのはマルタン・マルジェラでしたが、そうなる前に自ら引き際を決めたのはドリスにとってベストなタイミングなのかもしれません(度々引き合いに出すけど今のマルジェラは本当に…残念だ)。

外部資本を入れてビューティー部門を充実させたのもドリス自身の計画の範囲内での拡大だっただろうし、それで服作りが揺らぐこともなかった。そう言った点は揺るぎない信念を感じるし、着々と引き際を準備していたんだなと思わせます。

引き際には美学が宿ります。
不完全燃焼がいいわけないけど、完全燃焼が必ずしも正解ではない。
ドリス自身も一線は退くものの完全に離れるわけではないようなので、マルジェラのようにはならないだろうという安心感はありますが…やっぱりさびしいものですね(知り合いかよ)。

これを機にそろそろ女装(違)しようかな…


2018年に公開されたドリスの映画はここでもう一度見なおしておきたいところです。


いい笑顔!

この記事1カ月もかかっちゃった…
ってしまやも同時期にちょっと落とし前つけたとこだったので仕方ないとします。しまやの落とし前の付け所も今しかなかったんですよ。

また次回!

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