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脳卒中患者における片麻痺歩行において、非麻痺側歩幅増加が麻痺側下肢の関節運動と筋活動に与える影響を検討した。

方法

慢性脳卒中患者15名を対象とし、歩行速度、関節角度、筋電図(EMG)を測定した。被験者は、通常の歩行速度(標準条件)と、非麻痺側歩幅を増加させた歩行(NP-long条件)の2つの条件で歩行を行った。

結果

非麻痺側歩幅増加は以下の結果をもたらした。

  • 接地時の後方肢角度(TLA)の増加

  • 単脚支持期における大腿伸展角度と角速度の増加

  • スイング前段階における大腿直筋(膝伸展筋)と腓腹筋(足関節底屈筋)の筋活動増加

  • スイング期における最大膝屈曲角度に有意な変化なし

考察

当初の仮説とは異なり、非麻痺側歩幅増加はスイング期の膝屈曲を制限しなかった。これは、麻痺側脚の推進力を安全に改善する方法である可能性を示唆している。

限界点

本研究は、比較対象として健常者を含めていないこと、歩行速度や足関節装具の使用などの影響要因を考慮していないことなどの限界点を有している。今後、より大規模なサンプルを用いた研究が必要と考えられる。

https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/35937629/


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