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久しぶりに旅をしている

わたしは幼少期を西武新宿線と共に過ごしたが、うちの子どもたちは試される大地から出たことがない。
試されっぱなしの子どもたちだ。

しかし交通手段では甘やかされている。
行楽地へは車。
公園にも車。
スーパーにも車。
保育園にも車。
学童のお迎えも車。

小学校の通学くらいだろうか、必ず徒歩なのは。
つまり足腰が軟弱だ。

大人も同じこと。

通勤は車。
遠出も車。
たまにJRか高速バスに乗るくらい。

歩かない。

東京で暮らしていると図らずも歩く機会が多くなる。
電車の乗り換え、駅から目的地まで、自宅から最寄り。
駅の中を歩くだけでもいい運動になる。
エスカレーターのない古い駅は階段を駆け上がるし、地上駅から地下鉄までは階段を駆け下りる。

試される大地では足腰だけが試されずに弱っていく。
試される大地の片隅は自家用車なしでは移動が面倒だからだ。

電車の乗り方も切符の買い方もすっかり忘れるほど、鉄道とも縁遠くなった。
おかげで、たまに公共の交通機関を使うとドキドキする。
子ども連れならなおさら。

路線バスに子どもと乗るだけでほかの人が気になってハラハラする。
うるさくしないか、座れるか、ちゃんと降りられるのか。
バスから降りたところで、グズる子どもを抱えて自宅まで歩けるのか。
想定できないことが多すぎて大人はハラハラだ。

親の心配などさておいて、子どもたちは楽しそうにバスのボタンを押す算段をしている。
そういうものだ。

そしてわたしは大冒険に出た。
子ども二人を連れて、JRで移動する。
これはなかなかの大冒険だ。
普段車移動しかしないお母さんならご理解いただけるだろうし、電車移動が日常のお母さんには「これしきのことで」と笑われてしまうかもしれない。

しかし大冒険だ。
車ならトイレだって好きなタイミングでコンビニや道の駅に寄られるが、鉄道ではそうもいかない。
しかも下の子は遅まきながらやっとオムツ離れをしたばかり。
めちゃくちゃハードルが高い。

でも、やってみたくなった。
根性のないわたしは、後期高齢者になって久しい祖母に助けを求めた。
わたしより何倍も根性の据わった戦前生まれの祖母だ。

祖母は「あんた汽車にもひとりで乗せられんのかい」と笑ったが、面白がってついてきてくれることになった。

子どもとJRに乗るのも切符を買うのもはじめて。
「小児って何歳から!?」
券売機も見慣れていたものと違う。
あわてるあわてる。
未就学児は切符いらないし、小児の切符は自動改札を通すと「ピヨピヨ」音がする。
可愛い! びっくりした。

祖母は落ち着いて子どもたちのジュースを買っている。
わたしだけがワタワタしていて情けない。


実際乗ってみたうちの子たちの汽車の感想

下の子「まだつかないの?YouTube見たい」
上の子「汽車のなかで本読んだら揺れた」

うちの子たちの汽車の感想

現代っ子である。
そんな母は優先席に祖母と子どもを押し込めて、立ったままnoteをスマホでポチポチ。
めまいを発症してからはじめての汽車は、酔いやすくて苦労したけれど……

どうにか頑張って今日の分を更新できた環境に感謝!

駅まで迎えにきてくれた夫の車でプチ観光してきます❤


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