他人に相談できない人のための自己対話練習法
2018/10/22
ヒロさんから質問いただきました。
Q:いちかわさんこんにちは。
突然すみません。
長年思い悩んでいることが
あるのですが
それをどうしても
他人(主に心理カウンセラー)
に相談することが
できないでいます。
今いちかわに
相談できてるじゃん
と突っ込まれるかと思いますが
真の悩みは別にあり
今回の相談内容は
「他人に相談できない時は
どうすれば良いか」
という相談です。
ネットで調べてみても
「話すだけでも案外
スッキリするものだから
相談してみよう」
とか
「一人で抱え込まず
相談すべき」
などと
答えが書いてあるのですが
どれひとつとして
納得できるものはなく
むしろ相談したところで
「きっと心の中で
バカにしているに違いない」
とか
「誰も自分の
相談なんて興味ない」
とか
「相談することで
相手に迷惑を
かけてしまうのでは」
などと考えてしまって
結局やっぱり
「他人に相談なんてできない」
と強く感じてしまいます。
いちかわさんは
どう思います?
それでもやっぱり
「他人に相談した方が良い」
と思いますか?
カウンセラーに相談するのもセルフでカウンセリングするのもやることは大体同じ
A:ヒロさんこんにちは。
真の悩みは別にあるけれど
今回は
「他人に相談できない」
というお悩みのご相談ですね。
確かに
頭では相談しなきゃと
わかっていても
心の準備が整っていないと
他人に相談するのって
なかなか
踏み切れないですよね。
勇気も要りますし。
僕の友人の話で恐縮ですが
確かその人も
「悩みを相談しようにも
カウンセラーさんが
どんな人なのか
わからないし
どのような対応を
してくれるのかも
わからないし
仮に相談出来たとして
相談後は
どのような流れになるのか
わからないのも不安。
お金も時間も
かかりそうだし。
ただでさえ悩みや不安を
抱えているのに
カウンセラーに
相談するってだけで
どうしてまた
新たな不安や悩みを
抱えなきゃいけないのか」
と言っていたのを
覚えています。
なので
今回のヒロさんや
僕の友人のように
「どうしても他人に
相談できない」
という方には僕は
「他人に相談するにしろ
自分で対処するにしろ
やることは大体同じだから
なにも気兼ねすることなく
セルフカウンセリングを
やりましょう」
とお伝えしています。
ただ
ヒロさんが抱えてらっしゃる
真の悩みというものが
わからないので
今回は
「他人に相談できない時は
どうすればいいか」
という質問に対しての意見を
不肖いちかわが
回答させていただきますね。
「己と向き合う」ことが最大のテーマ
カウンセラーさんに
相談しながら
問題を解決するメリットは
「話を聞いてもらえる」
「二人三脚でセラピーを
進めることができる」
「途中で躓いたとしても
カウンセラーさんが
サポートしてくれる」
などが
挙げられます。
しかしながら
カウンセラーさんとの
ウマが合わないと
セラピーどころか
新たなストレスを
生み出す原因となるので
「自分に合った
カウンセラーを探すコスト」
がかかることは
デメリットのひとつ
と言えるかもしれません。
これに対して
自分一人で対処する場合
文字通り
問題解決までのステップを
全て一人で
こなさなければならないため
誰にも自分の話を
聞いてもらえませんし
セラピーも自分で
試行錯誤しながら
進めていかなければ
なりません。
このあたりが
人によってストレスに
なるかもしれませんが
ヒロさんのように
「誰にも相談できない」
という方にとっては
セルフカウンセリングの
やり方さえ知ってしまえば
かなり気が楽だと思います。
なぜなら
先ほどお伝えしたように
カウンセラーのサポートが
あろうとなかろうと
やることは
症状にもよりますが
大体同じで
「己と向き合うこと」
これが最大の
テーマになるからです。
「己と向き合う」とは「自分の本心と向き合う」こと
いささか仰々しい言い方を
してしまいましたが
「己と向き合う」
とは
一体なにを
どうすることなのか
をこれから
ご説明していきたいと
思います。
これは過去に僕が
質問者さんへの回答として
書いた内容と
少し重複するのですが
己と向き合うとは
「自分の本心と向き合う」
ことを言い
その自分の本心を
あぶりだすために
自分自身にひたすら
問いを投げかけ続ける
地道な作業でもあります。
ヒロさんの真の悩みは
わかりませんが
今回の
「他人に
相談できないことが悩み」
を例にするならば
まず
「なぜ私は
他人に自分の悩みを
相談できないのか」
を自分に問います。
次に
その問いに出した答えに
またさらに
「なぜ?」
を問うのです。
たとえば
「なぜ私は
他人に自分の悩みを
相談できないのか」
という問いに対して
ヒロさんは
「きっと誰に相談しても
内心ではみんな
自分のことを
バカにしているに
違いないから」
そう考えてしまうと
仰っていましたね。
そうしたら続けて
「なぜ内心ではみんな
自分のことを
バカにしているに
違いないと思うのか」
を問うのです。
このような自問自答を
もうどう頑張っても
答えが出ないところまで
繰り返すと
自分の悩みの花を
咲かせている種の部分が
見えてきます。
大切なのは自分の「思考の癖」に気づくこと
そうやって
自分の問題を客観的に
眺めてみると
自分の悩みの花を
咲かせている種の部分
いわば
思考の癖の派生元
となっている概念の中に
「根拠のない決めつけ」
といった
「認知の歪み」
が多かれ少なかれ
表れてきます。
この認知の歪みに対して
「反証を挙げる」
というのが次のステップ。
「反証を挙げる」とは
根拠なく
決めつけてしまった思考に
「矛盾する内容」
を探してみることです。
たとえば
「他人に相談したところで
バカにされるに違いない」
といった思考は
「根拠のない決めつけ」
となり得ます。
こうした
根拠のない決めつけ思考への
反証の挙げ方としては
「過去に
自分の悩みに対して
真剣に向き合ってくれた
友人がいた」
「逆に自分が他人から
相談事をもちかけられたら
バカにしたりしないし
むしろ頼りにされて
嬉しいと感じる」
こんな感じになります。
反証する癖をつければ考え方が柔軟になる
自分の思ったことや
考えたことに対して
「違う見方」
を示してあげることで
根拠のない決めつけ思考への
断定力は徐々に
弱まっていきます。
たとえば
先ほどの反証の例を
さらに強化してみると
「今までは
人に相談したところで
絶対バカにされてると
思っていたけど
ひょっとしたら
ほとんどの人は
真剣に自分の話を
聞いてくれていたのかもしれない」
「他人に相談するなんて
迷惑以外の何物でもない
と思っていたけど
ひょっとしたら
ほとんどの人は
自分のために積極的に相談に
乗ってくれていたのかもしれない」
このように考えることも
できるわけです。
一度自分の思考に
矛盾する内容で
反証する癖をつけると
「信頼できる人になら
相談してみてもいいかな」
と思えるようになります。
特にカウンセラーの方は
ヒロさんの
「他人になかなか相談できない
理由や気持ち」
も全て受け容れて
話を聞いてくれるので
話しやすいと思いますよ。
ただ話をするだけでも心は浄化される
今回は
「他人に
相談できない時は
どうすればいいか」
を題材として
セルフカウンセリングのやり方を
ご説明したので
「他人に相談することに対して
前向きな気持ちに
なれるような意識改革」
を着地点として
設定しましたが
実は僕自身も
「誰かに話を
聞いてもらった方が
スッキリする」
という理論を
おすすめしております。
なぜなら
話をする前は
どんよりした雰囲気で
血色のない顔色だった方が
思いの丈を
全てぶちまけた後は
見るからに顔色が
良くなって
とても晴れやかな表情を
浮かべて帰っていった
という例を
僕は幾度となく
経験しているからです。
人って不思議なもので
「うんうん」
と相づちを打ってくれる人に
話をするだけでも
「話を聞いてくれた!」
「わかってくれた!」
と感じて
心が浄化されるのです。
強要するつもりは
もちろんありませんが
「誰かに自分の悩みや
考えていることを
少しでもいいから
話してみる」
これを
ヒロさんの目標のひとつに
してみても
いいのではないかな
と思います。
ヒロさんの悩みが
晴れる日が一日でも早く
訪れますように。
おしまい。
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